皆様こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 日頃から外部スタッフとして日経バイオテクに記事を執筆いただいている伊藤勝彦さんの協力の下、編集部員の総力を挙げて編集した大型書籍「世界の創薬パイプライン総覧」を5月13日に発行しました。

http://nkbp.jp/1OoHjgo

 その紹介も兼ねた記事をオンラインに掲載していますので、ぜひお読みください。

国内外の製薬・バイオベンチャー500社の創薬パイプラインを分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/05/12/00693/

 「世界の創薬パイプライン総覧」は、国内外500社が臨床開発を進めている創薬プロジェクトについてを領域別に分類・整理し、各領域の研究開発トレンドなどを分析したものです。1つひとつのプロジェクトがどのような標的分子をターゲットにして日・米・欧・その他の国々でどのような開発状況にあるのか、同じ疾患を対象にした、もしくは同じ標的分子をターゲットにした競合プロジェクトの状況はどうかといった個別の情報から、製薬産業の研究開発の大きなトレンドの俯瞰まで、様々な利用価値のある書籍だと思っています。今回、紙の書籍として発行いたしましたが、月末には情報の検索性に富んだ電子書籍版も発売いたします。ぜひ、ご利用いただければ幸いです。

 この書籍を発行するに当たって、海外企業については米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)に加盟する製薬企業および米NASDAQに株式を上場して臨床開発中の創薬プロジェクトを有するバイオベンチャーの情報を一通り調べたのですが、その結果として、日本と欧米とでバイオベンチャーを巡る状況が全く異なることを改めて痛感しました。製薬企業とバイオベンチャーをどう定義するかという問題があるのですが、ざっくりした言い方をすると、欧米では製薬企業が手掛けている総プロジェクト数よりもバイオベンチャーが手掛けている総プロジェクト数の方が多いのに対して、日本では臨床開発中のプロジェクトの大半は、製薬企業自らが手掛けているということです。

 これは何によるのでしょうか。最近は長期収載医薬品の薬価引き下げなどにより、日本の中堅製薬企業にも新薬を出し続けなければ生き残れないというプレッシャーが強まっていることに加えて、オープンイノベーションの浸透もあり、大学発やバイオベンチャー発のシーズに対する需要は高まっています。ただ、欧米ではバイオベンチャーがシーズのインキュベーターとして機能しているのに対して、日本の製薬企業は早い段階でシーズを導入して自ら開発を手掛けるために、この違いが生じているのではないでしょうか。もちろん、ベンチャーに投じられる資金や、ベンチャーに関わる人材にも日本と米国では大きな差があるわけですが、バイオベンチャーをシーズのインキュベーターとして活用する意識が製薬企業の間に定着していないことも、バイオベンチャーが増えない原因として挙げられるのではないかと思います。

 従って、日本においてそもそも製薬企業はバイオベンチャーを必要としているのかどうか、製薬企業とWin-Winの関係を築けるバイオベンチャーのビジネスモデルとはどういうものなのか。日米の大きな違いを見てを、こうしたことを改めて考える必要があるのではないかと考えています。

 最後になりますが、6月6日に開催する「エクソソーム創薬」をテーマとするセミナーのお申し込みが多かったので、6月27日に同じテーマでセミナーを追加開催することに致しました。6月6日は既に締め切ってしまいましたが、追加開催の募集は開始したところですので、興味がある方はぜひ、早めにお申し込みください。

http://nkbp.jp/23OSKFa

ファーマビジネス会員の方はこちらから。

http://nkbp.jp/1smw43R

 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

               日経バイオテク 橋本宗明