こんにちは。三週に一度、メルマガを担当している副編集長の久保田です。最近、エクソソームの創薬応用について特集を書いたこともあり、取材時にエクソソームが話題に上ることが増えました。

 圧倒的に多いのは、「エクソソームが取れない」という悩みです。先日も、ある大学薬学部でストレス関係の研究をしている先生に取材に行ったところ、「健常者の血清からエクソソームを取ろうと思ったが、超遠心をしても、キットを使ってもうまく取れない」とこぼしていました。

 特集にご登場いただいた三重大学大学院医学系研究科遺伝子・免疫細胞治療学講座の珠玖洋教授の研究室でも、超遠心で安定的にエクソソームを単離できるようになるまで3年かかったと伺いました。だからこそ、様々な単離キットも登場しているわけですが、現状として、単離した“エクソソームとされるもの”の中身がばらばらという状況が生まれ、そのまま“エクソソームとされるものの機能”が研究されている、というのが現状でしょう。

 もっともエクソソームの単離術を身に着けた研究室は着々と創薬応用の研究を始めています。

特集●動きだしたエクソソーム創薬
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/theme/16/03/09/00010/

 先日、大阪市で開催された第15回日本再生医療学会総会でも、脂肪由来間葉系幹細胞の機能はエクソソームを介して発揮されているのではないかという研究成果が発表されました。発表したのは、肝硬変などを対象に健常者由来のヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞を他家再生医療等製品として開発しているロート製薬です。

ロート製薬、脂肪由来間葉系幹細胞の肝障害改善にエクソソームが関与
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/16/03/18/00399/

 世界では、間葉系幹細胞の機能の本態はエクソソームであるという切り口で、培養上清から単離したエクソソームを心筋梗塞患者に投与する臨床試験を実施する動きもあるようです。国内でも既に、エクソソーム濃縮液を難治性皮膚潰瘍患者に塗布する臨床研究がスタートしており、今後もこうした研究が増えそうです。