皆様こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本です。

 実は今、四国でお遍路をやっていて、先日の三連休も四国に行ってきました。1300㎞といわれる全行程を自分の足で回ることを目指しているのですが、徳島県北部の鳴門市にある一番札所からスタートして、やっと徳島県の南端にたどり着いたところで、恐らく数年がかりのプロジェクトになりそうです。道を行けば子供も含めて行き交う人から声を掛けられ、方々でお接待をいただくなど、お遍路に対するおもてなしの文化が深く根付いていることを実感させられます。お接待のお礼に「納札」を手渡す風習などは、日本全国に広められたらいいだろうなと思います。

 さて、まずは編集部からのお知らせです。年初のメールでもお伝えしましたが、今年、日経バイオテクの創刊35周年を迎えることを記念して、月曜日に皆様にお届けする1月18日号から本誌のデザインを刷新しました。表紙は文字情報だけをシンプルに掲載し、地の色は今号は緑ですが、毎号別の色にして、今手にしているのが最新号か既読号かを分かりやすくしました。また、裏表紙には今号に掲載した記事関連の最新キーワード解説を掲載して、バイオ産業の最新トレンドを一目で把握できるようにしています。創刊した1981年以来、日経バイオテクでは日本の様々なバイオ関連の出来事をお伝えしてきたわけですが、今後もこれまで以上に皆様のニーズに沿った情報をお伝えしていきます。どうぞご期待ください。

 それから、これも以前のメールで触れましたが、昨年12月半ばに発行した日経バイオ年鑑のオンライン版を作って、日経バイオテクONLINEとPharmaBusinessの読者の方が利用できるようにしています(なお、PharmaBusinessの場合は記事を1本閲覧するごとに3ポイント消費します)。一部、日経バイオテクONLINEの記事と重複するものもありますが、132項目に及ぶ項目全体に目を通せば、バイオ産業の今のトレンドを深く理解できるでしょう。日経バイオ年鑑で各ジャンルの大きなトレンドを理解した上で、日経バイオテクONLINEで最新ニュースをお読みいただくことをお薦めします。

日経バイオテクONLINE契約者向けの「日経バイオ年鑑2016」のTOPページはこちら
https://bio.nikkeibp.co.jp/db/yb2016/

PharmaBusiness契約者向けの「日経バイオ年鑑2016」のTOPページはこちら
http://bizboard.nikkeibp.co.jp/pharma_biz/pharma_yb_2016.html

 さて、昨年暮れの話題ですが、日本医療研究開発機構(AMED)が産学共同スクリーニングコンソーシアム(DISC)の発足式を開催したニュースがありました。

AMED、製薬22社が提供した20万化合物でHTSを実施
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/092800003/122200274/

 DISCは、アカデミアの創薬シーズの実用化に向け、会員企業から提供された化合物ライブラリーを使って候補化合物を探索する産学官の取り組みです。化合物ライブラリーの構築に合意した22社の製薬企業などから、合計20万の化合物の提供を受け、全国の大学や研究機関で見いだされた標的の中から実用化の可能性が高いと評価したものを選んで化合物を作用させながら、候補化合物を探索していきます。創薬の研究開発効率が低下する中で、各社オープンイノベーションに力を入れているわけですが、製薬企業がかつて門外不出とされてきた化合物ライブラリーを、これだけ大規模に外部に提供するのはなかなか斬新な取り組みだと言えます。

 オープンイノベーションに関しては、製薬企業がアカデミアなどからシーズや技術を公募する取り組みがかなり広く行われるようになっています。また現在、ドイツMerckグループは、学生を対象にサマーキャンプに招待して事業等のアイデアを議論し、最優秀のビジネスプランに2万ユーロを授与するMerck Innovation Cupの参加者を募集しています(1月から、日経バイオテクONLINEの右側に水色の正方形のバナー広告が出ています)。ノバルティスがバイオキャンプと称して行っている社外の人材育成と同様の取り組みで、シーズの公募とは少し異なりますが、次代を支える人材の育成・発掘につながるという点で、オープンイノベーションの1つの取り組みと言えそうです。

 オープンイノベーションは、製薬企業にとっては、社内だけでは研究開発の効率が上がらないための苦肉の策という面があるのかもしれませんが、そうやってアカデミアやベンチャーの人材や技術が育っていけばベンチャーなどの事業化を支えるリソースに厚みをもたらし、革新的な技術やビジネスを生み出すためのエコシステムを豊かになっていくでしょう。製薬企業におけるオープンイノベーションの取り組みも、これが正解という形はなく、試行錯誤しながら取り組みを進化させていく段階なのだと思いますが、そうした取り組みを通して、日本にもベンチャーが育つためのよりよいエコシステムが構築されていくことを期待しています。

 本日はこの辺りで失礼します。

                       日経バイオテク 橋本宗明