先日、日本バイオマス製品推進協議会が開催したバイオマス製品普及推進功績賞の表彰式と記念講演会に取材参加する機会を得ました。

 3社が表彰されましたが、各種線維の製造加工販売を手がけるオーミケンシによる広島市の平和記念公園に贈られた千羽鶴のレーヨン線維へ再生し、衣料に使用する取り組み、各種石鹸や洗剤の製造販売を手がける渋谷油脂は使用済み食用油を回収して薬用石鹸を製造し、コンビニなどのバックヤードやプライベートブランド商品として販売している取り組みが、紙容器やキッチンペーパーなどの製造販売を手がけるダイコク化成はバイオマスポリエチレンを原料としたフルーツキャップを開発し、JA江刺で採用された実績が、それぞれ表彰されました。

 また、豊田通商が製造しているバイオPETがサントリーの水飲料のボトルやロクシタンブランドの化粧品容器に採用されています。

 とても身近な製品にバイオマス由来プラスチックが利用されるようになってきた現状を感じる一方で、まだ少し象徴的なところがあるなと改めて感じた次第です。

 一方、この記念講演会では、日本有機資源協会主幹の加藤俊明氏が講演されました。曰く、2020年以降の温室効果ガス削減目標を含む、日本の約束草案が日本政府によって7月に国連に提出され、2030年度に2013年度比26%減少させること、この約束は技術的制約、コスト面の課題などを十分に考慮した裏付けのある対策、施策や技術手の積み上げによる実現可能な削減目標であること、そしてバイオマス製品による温室効果ガス削減分が加味されていることが紹介されました。

 バイオマス製品による温室効果ガス削減分はどう計算されるかというと、バイオマス製品の年間生産量にバイオマス度、国内流通割合、使用済みバイオマス製品の廃棄率、焼却率を掛けて算出すると言うことでした。具体的には、全国の焼却炉に運び込まれるごみの抜き取り検査でどの程度バイオマス製品が使われているかを評価した上で算出するそうです。

 過去には、京都議定書で定められた二酸化炭素排出量削減目標を達成するために、最後には二酸化炭素に関するクレジットを購入するまでに至ったそうですが、まさに“空気”をお金で買うイメージでしょうか。

 ただし、バイオマス製品を焼却処理した場合、廃プラスチックを焼却して発生する二酸化炭素の総量からバイオマス製品由来の二酸化炭素量を控除することは、2012年に国連が認めているそうです。こうしたことから、バイオマス製品の普及拡大に追い風が吹くのではないかというお話しでした。

 こうした状況を踏まえつつ、自分の生活を振り返ってみると、プラスチックを使った様々な商品を日々購入していますが、自治体の厳しい分別のお達しにより、「これは燃えるゴミ、これは燃えないゴミ、これはプラスチック資源ゴミ」と細かく分けています。今の自治体に転入する際、最初に言われたのがゴミの分別で、田舎から出てきたものとしてはずいぶん厳しいなと感じた記憶があり、また管理人さんの“ご指導”も厳しく、勢い、燃えないゴミが増えているのが現状です。

 思い起こせば、缶ジュースのプルタブのポイ捨てが問題視され、アメリカではプルタブが禁止され、ステイオンタブ式が一気に広まり、日本でも抵抗感なく受け入れられました。ついつい棄てていたものだけれど、商品そのものが変わってくれたおかげで棄てるという行為から我々は解放されたといえるでしょう。いっそプラスチック製品も一気に全てバイオマス由来になってくれたら難しいことを考える必要もないのに、と易きに流れた考えに至った次第です。

                         日経バイオテク 加藤勇治