新春展望2018

ゲノム創薬の時代に再生医療は産業構造を変えるか?

(2018.01.02 08:00)
ツーセル=辻 紘一郎代表取締役社長 

 私たちを取り巻く医療は、めまぐるしく進歩しています。

 私の76年の人生の中でも、医薬品の進歩は、感染症対策としての「抗生剤の時代」、健康増進のための「保健薬の時代」、生活習慣病のための「対処療法の時代」、「バイオ医薬品の時代」等に示される通りです。そして今、「ゲノム創薬の時代」となり「オプジーボ」がその象徴となっています。医療の進化のエネルギーは、患者の望みを実現する方向で決まります。病気になった人は助かりたいと思うし、手術は少しでも低侵襲であって欲しいと思うのは世界共通です。医療は全て、ニーズに応じて進歩しました。再生医療は、患者ニーズに合っているかが鍵です。

 ツーセルは、大手製薬会社の生産拠点を広島に誘致する事業を展開しています。すなわち、間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療事業において、無血清培地の供給が重要であることをいち早く認識し、MSC用無血清培地「STKシリーズ」を開発、2008年よりDSファーマバイオメディカルより順次発売しました。また、同種(他家)滑膜由来MSCの三次元人工組織である骨軟骨再生細胞治療薬「gMSC1」を開発し、第三相比較臨床試験を実施中です。これは、既に中外製薬と国内のライセンス契約を締結済で、海外についても優先交渉権を与えています。続いて、脳梗塞細胞治療薬「gMSC2」は、大塚製薬とオプション契約を交わしています。早期OA治療薬「gMSC3」、抗腎不全薬「gMSC4」の研究開発も進め、再生医療の産業化を目指し、ライセンシングパートナーを求めています。

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