新春展望2018

製薬企業発のヘルスイノベーションパーク構想への期待と抱負

(2018.01.02 08:00)
出雲正剛=武田薬品工業再生医療ユニットグローバルヘッド

 2017年は私たちにとってオープンイノベーション構想の実現に向けて更なる一歩を踏み出した年になりました。日本における新たなイノベーションハブとなるべく、神奈川県藤沢市にある武田薬品湘南研究所を「湘南ヘルスイノベーションパーク」として社外に開放し、優れたベンチャーや企業を誘致することで、画期的なライフサイエンスのエコシステム構築を目指しています。すでに山口大学と国立がん研究センター発のベンチャー企業であるノイルイミューン・バイオテックが入居しており、慶応義塾大学発ベンチャーであるK-Pharmaおよび大分大学先端医学研究所も近々入居予定です。

 また、武田薬品で創製されたアセットの活用を目的として、スコヒアファーマ、カーデュリオン、コルディアをはじめ5つのベンチャー会社がスピンオフ会社として活動を始めています。さらに武田薬品で培われた創薬のノウハウを、新たなアイディアの具現化のために広く提供することを目的に、総合的創薬ソリューションプロバイダーであるアクセリード社も湘南ヘルスイノベーションパーク内に設立されました。

 アクセリード社には武田で活躍した250人の研究者と共に、百万を超える化合物ライブラリーやスクリーニング系などの創薬プラットフォームを移管して、サービスを広く提供しています。このように、世界的に見てもユニークな枠組みで、外に開かれたイノベーションの支援・創出に取り組んでいます。

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)との共同研究であるT-CiRAは、iPS細胞技術の治療応用に向けて2015年からスタートしており、湘南ヘルスイノベーションパークでのイノベーション創出の先駆けとなる産学連携プログラムです。2018年で3年目を迎え、細胞治療、創薬および遺伝子編集技術の治療応用のいずれの研究分野でも着実に進捗しています。iPS細胞技術を発展させた創薬や再生医療により、難病に苦しむ患者さんに新たな治療法を将来届けることができるように、本年も引き続きこの活動に注力します。さらにT-CiRAがヘルスイノベーションパーク構想の中で様々なシナジーを発揮するための架け橋となることを期待しています。

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