新春展望2018

Precision MedicineとRegenerative Medicineの社会実装に向けて

(2018.01.02 08:00)
仲尾功一=タカラバイオ社長

 Precision Medicineについては、厚生労働省の「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会」が報告書をまとめ、我が国の取組みの方向性が示されました。癌パネルと次世代シーケンサーが本格的に使用され、その解析は民間業者に委託できるとされており、当社のようなMolecular Diagnosticsのソリューションプロバイダーにとっては大きな事業機会であると考えています。

 タカラバイオグループでは、シングルセル解析やハイスループット定量PCR装置を扱う米WaferGen Bio-Systems社と、超微量DNA解析技術を擁する米Rubicon Genomics社をグループに加え、当社の超微量RNA解析技術とを合わせ、癌ゲノム医療分野で求められる新製品・新サービスの開発に努めています。また、大阪大学と連携推進協定を締結し、大阪大学病院内に設置するクリニカルシーケンスラボを活用し、新たなゲノム医療技術の社会実装化を進めています。

 Regenerative Medicineでは、CD19-CAR遺伝子治療が米食品医薬品局(FDA)の承認を受け、その奏効率の高さや治療費用などが、メディアでも大きく取り上げられています。遺伝子治療薬は、欧米を中心に7製品以上がすでに承認を得ており、開発スピードは今後さらに加速されるはずです。遺伝子治療薬の基盤技術は、ウイルスベクターと遺伝子導入細胞のプロセッシング技術であり、これらの開発や製造を支援するCDMOビジネスも世界的な拡がりを見せています。

 タカラバイオグループは、腫瘍溶解性ウイルスHF10、CD19-CAR遺伝子治療、NY-ESO-1 siTCRTM遺伝子治療の早期承認を目指して、臨床開発を進めています。また、滋賀県草津市と増設した神奈川県川崎市の遺伝子細胞プロセッシングセンターをフル稼働させ、再生医療等製品臨床開発のOne Stopソリューションプロバイダーとして高品質なCDMOサービスを提供していきます。

 Precision MedicineやRegenerative Medicineの社会実装には、技術的課題も少なからずありますが、法整備や医療経済における課題のほうが大きいのではないかと感じています。タカラバイオは、Unmet Medical Needsに応える遺伝子細胞プロセッシング技術・遺伝子治療法の開発を強力に推し進めていきます。

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