新春展望2018

2018年も追い風続くバイオベンチャー

(2018.01.04 08:00)
山崎大作

 あけましておめでとうございます。

 長年ベンチャーの発展を支援してきたベンチャーエンタープライズセンターの調査によると、2017年1月から9月までのベンチャーキャピタル(VC)による国内でのバイオ、製薬分野での投資額は145億3000万円。分野別にみても、IT系に次ぐ投資額で、伸びでは前年度から最も伸びた計算です。実際、2016年以降、コーポレートベンチャーキャピタルを含むVCの投資活動が活発になり、アーリーステージのベンチャーにとっても調達がしやすい環境になっていることは日々の取材活動の中でも肌で感じていました。

 投資から回収までの時間が長く、また2000年代初頭のバイオバブル崩壊の経験があったことからこれまで敬遠されがちだったバイオ・製薬産業でしたが、改めて日本に研究者のシーズが持つポテンシャルが再評価されたということでしょうし、また米Kite Pharma社が米Gilead Sciences社に119億ドルで買収されるなど導出や買収の際に動く額の大きさがVCにとって魅力なのかもしれません。調達が容易になれば、事業もまた加速しやすくなるでしょう。

 2018年も日本のバイオベンチャーにとっては、追い風が続くのではないかと考えています。まだまだ事業化されていないアカデミアのシーズはあると伺いますし、製薬企業の事業買収や導入の意欲が落ちているようには見えません。さらに、厚生労働省が2018年度予算に、「日本創薬力強化プラン(緊急政策パッケージ)」を計上。医薬品の研究開発費の低減やバイオベンチャーの振興などを目指している他、ベンチャー企業に必要な人材の紹介などの支援を行う「ベンチャートータルサポート事業」が立ちあがる予定です。また、経済産業省も2017年11月から「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」を開催。新興市場でのバイオベンチャーの資金調達をスムーズに進めるための議論を行うなど、行政の支援も進む見込みです。

 バイオベンチャーの近くで取材を続けていることを自負する媒体の一記者として、その風をいち早くつかみ、読者の方々にお届けしたいと思います。

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