新春展望2017

協和発酵キリン、勝負の年

(2017.01.02 00:00)
佐藤洋一=協和発酵キリン取締役常務執行役員・研究開発本部長

 協和発酵キリンは、2016年から5カ年の中期経営計画「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」に取り組んでいます。研究開発型企業を標榜している当社において、我々研究開発本部は、会社発展の原動力であらねばならないと自負しています。

 今中期計画達成のための最重要目標は、現在進行中のグローバル戦略開発品、すなわち血液癌対象の抗CCR4抗体KW-0761、パーキンソン病対象のアデノシンA2a拮抗薬KW-6002、成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病対象のKRN23の承認取得と上市であると考えています。2017年にはこれら開発品の重要なマイルストーンを迎えますので、まずはこれらを確実にクリアしていきたいと思います。すべて自社オリジンの開発品であるこれらに続くパイプラインも、ここ数年で非常に充実してきており、大いに期待をしています。特に、KW-0761のがん免疫作用に基づく他社開発品との固形がん併用療法の試験が進んでおり、今後その成果が見えてくることに加え、本剤とこれも自社開発品であるIDO阻害剤KHK2455との併用試験も始まっています。今後、KW-0761を通じて、がん免疫療法の領域における当社のプレゼンス向上へ向け、次なるステップに進むと考えています。また2016年は当社2剤目の抗体医薬品であるルミセフが承認され、販売を開始しました。これら以外にも腎、癌、免疫・アレルギー、中枢神経の各疾患領域において、それぞれに特徴のあるパイプラインがそろっています。これらの開発を着実に進めていくことが、われわれに課せられた使命です。

 一方で、次の開発候補品を継続的に創出する努力を怠るわけにはいきません。中長期的な展望に立った、初期探索研究、技術研究などにも、引き続き機動的に取り組みます。カテゴリー戦略の徹底による領域ごとの選択と集中を通じた強みの最大化、トランスレーショナルリサーチの活用による成功確率の向上、4大モダリティ(次世代抗体医薬、核酸医薬、新たな低分子創薬、再生医療)を軸にした技術開発への挑戦などがそれを支えます。我々は研究と開発が一体化した組織である利点をフル活用し、探索から開発までシームレスに展開していくことが、競争に勝ち残っていく重要な要素であると考えています。すなわち、グローバル開発を通じて得られた成果を将来の価値ある開発品創出にも結びつけ、その過程で得た技術や疾患領域を強みにしてこそ、5年後、10年後の新たな治療の創出にも貢献することができるということです。

 昨今の製薬企業を取り巻く環境は、自前主義を押し通して乗り切れるような状況ではありません。我々も、他社との共同開発はもとより、技術研究や初期探索にいたるまで、研究開発全てに関わるオープンイノベーションに積極的に取り組んでおり、徐々にですが着実に成果が上がりつつあります。研究においては、米国とシンガポールの当社研究拠点との連携を基軸としつつ、産官学すべてを視野に入れ、引き続き力をかけて取り組みます。

 当社中期経営計画の2年目である2017年を、当社は「投資フェーズ」と位置づけています。2018年以降の「飛躍フェーズ」で真の飛躍を成し遂げられるか、そしてその先のさらなる成長を目指せるグローバル・スペシャリティファーマへと変貌できるのか、まさに勝負の年です。

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