新春展望2017

もう1つの臓器、腸内細菌叢は疾患予防・治療の標的になり得るか

(2017.01.02 00:00)
福田真嗣=メタジェン代表取締役社長CEO

 謹んで新年のお祝いを申し上げます。2016年は「腸内細菌」が多数のメディアで取り上げられ、その重要性が社会に浸透した一年になったように感じております。研究の分野でも腸内細菌と疾患に関連する報告が相次いでおり、大腸癌や大腸炎などの腸管関連疾患だけでなく、糖尿病や動脈硬化といった代謝疾患、多発性硬化症やパーキンソン病などの脳神経疾患、更には癌治療で脚光を浴びている抗PD1抗体などの免疫チェックポイント阻害薬の効き目に腸内細菌が一役買っているなど、多くは動物試験の結果ではありますが、いくつかについては臨床試験結果も報告されており、世界的にも腸内細菌が有する「もう1つの臓器」としての機能の重要性が認識されつつあります。

 腸内細菌の集団を腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼びますが、腸内フローラそのものを活用した疾患治療方法にも注目が集まっています。腸内フローラのバランスの崩れが疾患要因の一つと考えられている潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群などの患者に対して、健康なヒトの便中細菌叢を内視鏡を用いて腸内に移殖する便細菌叢移殖療法の有効性について、臨床試験が国内外で実施されています。治療効果の有無やその分子メカニズムについては未解明な部分もありますが、これまでの治療方法とは一線を画す、腸内フローラを活用した治療方法として大きな期待が寄せられています。

 一方、疾患の予防についてはその実現に向けて、まずは健康成人の腸内環境データベース構築が必須であるという産官学の共通認識のもと、オールジャパン体制での日本人腸内環境データベース構築に向けた活発な動きに注目が集まっています。

 こういった社会潮流においてメタジェンでは、どのような腸内環境の人が、何を摂取すれば腸内環境がどのように変化し、それが健康維持・疾患予防に繋がるのかについて、独自技術であるメタボロゲノミクスによりその詳細を明らかにし、エビデンスに基づいた確かな腸内環境制御技術の開発に取り組んでいます。個々人の腸内環境を適切に「デザイン」することで疾患を未然に防ぐ、健康長寿社会の実現に向けて本年も邁進して参ります。

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