新春展望2017

新たなオープンイノベーションへの期待と抱負

(2017.01.02 00:01)
出雲正剛=武田薬品工業再生医療ユニットグローバルヘッド

 2016年は私たちにとって「再生医療」という新たなスタートを切るとともに、オープンイノベーションに本格的に踏み出した年となりました。

 創薬モダリティーの多様化が進み、世界的にも従来の低分子薬から蛋白製剤や抗体医薬が医薬品市場を牽引する成長ドライバーとなっています。また現在、細胞医薬品、再生医薬品が将来の成長候補として脚光を浴びています。

 我々武田薬品においても再生医療を非常に重要な分野の一つに位置づけ、2015年12月には山中伸弥教授がリードする京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と10年に渡る共同研究プログラム(T-CiRA)を武田薬品湘南研究所(藤沢市)で開始するに至りました。

 T-CiRAは製薬企業の研究所の中で、大学研究者と企業研究者が共同して基礎研究から前臨床研究までを100名以上の規模で実施するという前例のない取り組みであり、アカデミアのシーズと企業のノウハウを繋ぐ架け橋を目指しています。

 再生医学、とりわけiPS細胞は日本発のオリジナルな研究です。日本にルーツを持つ製薬企業は日本発のシーズを育てていくことを期待されています。日本は低分子薬では多くの薬を生み出してきた一方、現在70以上ある蛋白・抗体医薬の上市品のうち、日本発のものは3つしかないとも言われています。

 幸いにもT-CiRAの本格稼動から一年に満たない内に創薬の芽が出始めており、手ごたえのある取り組みとなっています。本年も引き続きこの活動に注力するとともに、数年後には重病に苦しむ患者さんへ画期的な新薬が届けられるよう頑張りたいと思います。

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