新春展望2017

科学の進歩を患者さんの価値に変える

(2017.01.02 00:01)
安川健司=アステラス製薬上席執行役員

 科学は日進月歩であり、私たちは2013年、自前での研究開発だけでなく、外部イノベーションの積極的活用を決めました。当社には優秀な研究者が多数いますが、それでも世界トップの研究者に追いつき、追い越すのは容易ではありません。そこで、最先端の科学をリードする研究者と共に研究を行うネットワーク型研究体制を構築し、研究活動を機動的に展開しています。

 つくば研究センターに閉じこもらず、最先端の科学に基づき、社内外を問わず優秀な人材・研究者を登用し、最適な環境で研究活動を行う、私たちはこれを3B(Best Science、Best Talent、Best Place)と呼んでいます。例えば、2013年から開始した米Cytokinetics社との提携、2016年の米Harvard Medical Schoolとの提携など、ここ数年で実績を上げてきていますが、2017年も自社での研究開発に加え、更なるバイオベンチャー、アカデミアとの協働体制を構築していくことで、既存領域研究開発の充実、そして新たな疾患領域への挑戦を続けていきます。

 私たちは2014年4月に再生医療ユニットを設置し、低分子や抗体に加え、細胞を一つのモダリティとして捉え、細胞医療に取り組み始めました。2016年2月にはOcata社(現AIRM社:Astellas Institute for Regenerative Medicine社)を買収し、眼科領域での細胞医療に関する研究開発を加速しています。各国でイノベーションを評価する新規薬事制度が整えられつつあり、私たちは各国当局と積極的に対話し、新制度を活用しながら、早期の承認取得を目指しています。そのためにも、商用品生産体制を一刻も早く完成させることが必要であると考えています。

 また、これまで各機能/部門で行っていたビッグデータの活用及びケイパビリティを一つの専門機能として集約し、2015年7月、米国にリアルワールドインフォマティクス機能を設立しました。本機能は、アステラスにおけるビッグデータの活用を最大化することにより、アステラスの経営理念とそれを実現するための戦略をサポートし、患者さんに新たな価値を提供することをミッションとしています。私たちはビッグデータの活用により、薬剤の臨床上の価値を従来とは異なる方法で判断できないかの検討も行っており、本年は、承認後の臨床試験のあり方を見直し、より早期かつ安価に薬剤の医療経済学的価値を見極めるための取り組みを本格化させていきます。

 私たちアステラスは、2017年度も「アンメットニーズの高い疾患における新薬」「細胞治療、遺伝子治療などの新しい治療手段」「医療に応用可能性のある様々な新技術」これらの機会をとことん追求し、本年も科学の進歩を患者さんの価値に変えるために挑戦していきます。

PR・告知製品・サービス一覧人材・セミナー・学会一覧