新春展望2017

ライフサイエンスの幅広い発展に向けて

(2017.01.01 00:02)
原克彦=文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長

 2016年は、大隅良典先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されるという大変うれしいニュースがありました。その一方で、このままでは20年後には世界に冠たる基礎研究の成果が我が国からは出なくなるのではないかとも指摘されています。改めて申し上げるまでもなく、人口や相対的な経済規模が縮小しつつある我が国だからこそ、世界に冠たる研究成果を将来にわたって生み出し続けられる環境を整えておくことが極めて重要であり、引き続き力を入れて取り組んでいきます。

 医療分野の研究開発に関しては、日本医療研究開発機構(AMED)が設立2年目を迎えた昨年、末松理事長のリーダーシップの下、研究費を機能的に使っていただけるような仕組みを導入しました。2017年は、再生医療、ゲノム医療、脳科学、感染症研究、癌研究に加え、新たに開始する老化メカニズムの解明等の基礎研究の強化とその成果の実用化に向けて取り組んでいきます。

 また、2017年5月末には、改正個人情報保護法が全面施行となります。2016年は、厚生労働省や経済産業省とともに、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」等の関係指針の改正に向けた検討を多くの関係者の御協力を頂きながら進めました。2017年冒頭は、これらの指針の円滑な施行に向けて、準備を進めます。

 人工知能やビッグデータ、ゲノム編集技術をはじめとした新たな技術の活用と、更なる発展に向けた対応についても、2016年からの課題として残されています。また、個体レベルを超えて、人や植物と、微生物との共生について統合的に理解するための研究プロジェクトも一部で開始しました。ライフサイエンスは、医療や育種、材料、エネルギーなど様々な領域への活用が期待される裾野の広い分野ですが、文部科学省としてまだ十分に取り組めていない領域もあります。新たな分野での若手研究者の育成も継続的な取り組みが必要な課題です。

 関係の皆様の御指導・御鞭撻を頂きながら、2017年は、これらについても一歩でも前に進めていきたいと考えています。

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