新春展望2017

“Precision Medicine” & “Regenerative Medicine”

(2017.01.02 00:10)
仲尾功一=タカラバイオ社長

 タカラバイオでは、最近のライフサイエンス分野における研究のKey Trendsは、“Precision Medicine”と “Regenerative Medicine”と呼ばれる2つの領域と捉え、我々の持つ技術力を最大限に生かしつつ、ビジネス展開を進めてきました。

 “Precision Medicine” の技術的本質は、“Molecular Diagnostics”と言えます。分子標的薬やテーラーメイド医療(個の医療)においては、簡単で非侵襲かつ情報量の多い検査結果が必要です。そのためには超微量サンプルでの高感度・高精度分析技術が必要で、さらには自動化・ハイスループット化そして再現性を向上させる技術・製品・サービスが求められます。

 タカラバイオグループに加わることになった、シングルセル解析装置やハイスループット定量PCR装置を扱う米WaferGen Bio-Systems社や超微量DNA解析技術を有する米Rubicon Genomics社とのシナジーを武器に、バイオ産業支援事業を長らく手がけ、特に遺伝子に関わるテクノロジーの開発に注力するタカラバイオは、この技術領域においてもリーダーシップを取り続けて行きます。

 日本の法律用語では再生医療等製品と呼ばれる“Regenerative Medicine”は、技術的には“Gene & Cell Therapy”の一つの領域と考えると分かりやすいと思います。低分子医薬品や抗体医薬のような疾患の1標的に作用する治療法ではなく、本来ヒトに備わっている自己治癒力を利用する治療法であると言えます。誤解を恐れずに言えば免疫系の再生(再構築)医療です。

 この新しいコンセプトの治療法が社会実装されるためには、今後ますます、高効率な遺伝子導入技術や遺伝子発現制御技術また、これらを担うベクターの効率的製造方法、さらには分化制御・拡大培養などの細胞加工製造システムが必要となります。ゲノム編集によるCell Engineeringを応用した創薬研究開発ツール・病態モデルの開発も進めなければなりません。

 これらの技術開発と同時に、独自の「RetroNectin」を用いる遺伝子導入法と細胞拡大培養法を駆使した遺伝子治療の臨床開発のステージも進んできました。大塚製薬株式会社との日本国内における開発・販売に関する提携をスタートさせた腫瘍溶解性ウィルスHF10に加え、CD19・CAR遺伝子治療やNY-ESO-1遺伝子治療の早期商業化をめざし、Unmet Medical Needsに応える技術、治療法の開発に貢献していきます。

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