再生・細胞治療の産業化に向けたエコシステム作り

第1回の連載では、再生・細胞医療と遺伝子治療の国内外の開発動向を紐解きながら、グローバルにみると遺伝子治療が先行していることを述べた。その上で、再生・細胞医療においては、(短期ではなく)中長期的な実用化を見据えて、計画的かつ機動的な投資が必要であると述べた。第2回では、根本治療という切り口で再生・細胞医療と競合する医療技術(モダリティ)を定義し、「疾患×モダリティの勝ち筋」を分析することで、実用化に向けた戦略的な投資配分の方向性を示した。第3回では、更に分析を発展させ、再生・細胞医療の5つの産業化シナリオを導き、シナリオ間の連関性をとらえることで、戦略構築の基礎となる羅針盤を提示した。第4回では周辺産業に目を当て、製造コストの低減が産業化のカギを握ることを示しつつ、周辺産業プレーヤーの取るべき方向性として、顧客(開発者)プロセスの課題を解決するソリューション提供が必要であることを示し、自社のコア技術を中心としたモジュール単位での作りこみにより差別化が図れることを述べた。第5回では、薬価に焦点を当てて、本質的な課題である「対象市場(患者数)の大きな領域における革新性の高い製品の薬価制度」に対して、現時点で考え得る課題解決の方向性を示した。最終回となる本稿は、これまでとは少し異なる「エコシステム」という視点で、再生・細胞医療の産業化に向けた最後の考察をしていきたい。

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