バイオ村の住民投票

ノーベル賞予想、生理学・医学賞は本庶氏が断トツ、癌免疫療法が濃厚か

(2017.09.25 00:12)
日経バイオテク編集部
表1 ノーベル生理学・医学賞、ノーベル化学賞を取る可能性の高い日本人研究者ランキング(投票数190票)
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表2 ノーベル生理学・医学賞を取る可能性の高いバイオ分野の研究者ランキング(投票数201票)
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表3 ノーベル化学賞を取る可能性の高いバイオ分野の研究者ランキング(投票数183票)
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 日経バイオテク編集部では、2017年9月7日から21日にかけて、第4回バイオ村の住民投票と題して、読者を対象に2017年のノーベル生理学・医学賞、ノーベル化学賞の受賞者に関する調査を実施した。有効投票数は208票。

 2017年、ノーベル生理学・医学賞またはノーベル化学賞を日本人が受賞する可能性については、91.8%が「あると思う」と答え、2015年の北里大学大村智特別栄誉教授(生理学・医学賞)、2016年の東京工業大学大隅良典栄誉教授(生理学・医学賞)に続き、大部分の投票者が、3年連続で日本人の受賞に高い期待を寄せていることが明らかになった。

 「あると思う」と答えた投票者に、ノーベル生理学・医学賞またはノーベル化学賞を受賞する可能性が高い日本人について聞いたところ、京都大学大学院医学系研究科の本庶佑客員教授が、昨年に続き、137票の断トツで第1位だった(表1)。本庶客員教授は、抗体クラススイッチの制御機構を解明した他、主宰する研究室で「オプジーボ」(ニボルマブ)の標的であるPD1/PD-L1分子の同定や機能解明を進め、癌免疫療法の新たな可能性を切り開いた研究者として知られる。

 第2位に選ばれたのは、32票を獲得した大阪大学免疫フロンティア研究センター(IFReC)の坂口志文特任教授(大阪大学名誉教授兼京都大学名誉教授)。坂口特任教授は、転写因子Foxp3を発見し、制御性T細胞の世界的権威として知られる。また、第3世代のゲノム編集技術、CRISPRの基礎となった繰り返し配列を大腸菌で発見した九州大学の石野良純教授も4票を獲得し、第11位となった。

 今回は、日本以外の研究者を含め、ノーベル生理学・医学賞またはノーベル化学賞を受賞する可能性が高い、バイオ分野の研究者についても聞いた。

 ノーベル生理学・医学賞の受賞者予想で、第1位に選ばれたのも、125票を獲得した本庶客員教授だったが、第2位、第3位も、同じくPD1の経路解明と癌免疫療法の開発などを手掛けた研究者がランクイン。さらに、第5位、第6位にも、T細胞生物学や、癌免疫のチェックポイント分子などの研究者が選ばれており、今年のノーベル生理学・医学賞の受賞テーマとして、癌免疫療法を予想する住民が多かった。

 ノーベル化学賞の受賞者予想では、上位3位をゲノム編集技術、CRISPR/Casの開発に携わった研究者が独占。九州大の石野教授も2票を獲得し、第11位に入った。こうしたことから、今年のノーベル化学賞の受賞テーマは、CRISPR/Casではないかと見る向きが強いようだ。もっとも、CRISPR/Casに関しては、様々な研究者の研究成果が積み重ねられて実用化しており、その中で誰がノーベル賞を受賞するか、見通すのは簡単ではなさそうだ。ノーベル生理学・医学賞の受賞者は、2016年10月2日の夕方(日本時間)、ノーベル化学賞の受賞者は、10月4日に発表される見込み。

 第4回バイオ村の住民投票の投票者の背景は、男性が87.0%、女性が13.0%。勤務先は、大学・研究機関が34.1%と最も多く、製薬企業(26.9%)、その他企業(12.0%)、化粧品・化学企業(4.3%)、診断薬企業(3.8%)の順で多かった。年齢は、50歳代が3.7%と最も多く、次いで40歳代(27.9%)、60歳代(15.4%)、30歳代(14.9%)が続いた。最終学歴は、国内大学の博士修了が55.8%と最も多く、次いで国内大学の修士修了(27.4%)、国内大学の学部卒(16.3%)が多かった。医師免許取得している投票者は、全体の6.3%だった。

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