飯島歩の特許の部屋(第32回)

産学連携と知財契約

(2019.05.10 08:00)1pt
飯島歩=弁護士法人イノベンティア代表社員

 さる4月10日、ノーベル賞受賞者の本庶佑京都大学特別教授が京都大学で記者会見を行い、オプジーボの共同開発に当たったパートナー企業への不満を述べられた。報道を要約すると、「企業が研究者をだましたり、不正確な説明をしたりするとは思っていなかった」「契約に際して弁護士をつければよかったが、人脈が無く、大学も助けてくれなかった」「このままでは日本のアカデミアの成果が海外に流出する」といった内容であったという。

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飯島歩(いいじま あゆむ)
弁護士法人イノベンティア代表社員、弁護士・弁理士・ニューヨーク州弁護士
飯島歩 京都大学法学部卒業後司法修習を経て1994年より北浜法律事務所に勤務。2000年から01年にかけて米国Duke大学ロースクールに留学、法学修士(LL.M.)を取得。01年から02年まで、ワシントンD.C.のAkin Gump Strauss Hauer&Feld法律事務所勤務。02年から03年にかけて、特許庁初の法制専門官として特許法改正作業に従事。03年に北浜法律事務所に復帰し、06年同法律事務所代表社員。2016年4月弁護士法人イノベンティア創設、代表社員。知的財産法および訴訟等の紛争解決を主たる取り扱い分野としつつ、多数の企業に法律・経営にわたるアドバイスをする。
日々の仕事で接する特許。しかし、制度がどのような思想の下で生まれ、発展してきたか、また、現代社会においてどのような解釈問題に直面しているのかを考える機会は少ないのではなかろうか。特許は、長年にわたって各時代の先端技術を取り扱ってきた、とても古い制度だ。それ自体に人類の英知が蓄積されている。本連載では、バイオの技術者・研究者の方を対象に、なるべく身近な問題を題材として、特許制度の背景にある制度の思想や歴史に触れていく。

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