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 米食品医薬品局(FDA)は、2020年4月、新型コロナウイルス治療法加速化プロジェクト(Coronavirus Treatment Acceleration Program:CTAP)と呼ばれる新規プログラムを立ち上げた。同プログラムでは、新しい治療法の開発を促進するため、各治療法に関する情報に加え、治療法の有効性や安全性に関する評価も提供する。

 2020年7月14日に更新された、CTAPの情報によれば、現在、510品目を超える薬剤が開発中であり、FDAは230本以上の臨床試験を審査した。開発中の治療法(ワクチンを除く)で、臨床試験開始申請(IND)が認められたのは、免疫調整薬(immuno modulator)が最も多く、70品目以上に上り、中和抗体(neutralizing antibodies)が30品目以上ある。抗ウイルス薬(antivirals)と遺伝子細胞治療(cell & gene therapies)も、それぞれ20品目以上あった。

 230本以上の臨床試験のうち、後期開発段階(第2相から第4相)に区分されるものは、180本以上。承認された治療法は、まだ無いが、2品目の緊急使用許可(Emergency Use Authorizations:EUAs)が出されている。EUAs関連のウェブサイトによれば、2品目の内訳は、酸素投与や呼吸器が必要な入院患者を対象とした、米Gilead Sciences社の「ベルクリー」(レムデシビル:Remdesivir)と、呼吸器を必要とする患者に対して鎮静効果を継続するための、ドイツFresenius Kabi社の「Fresenius Kabi Propoven 2%」(プロポフォール注射剤)である。

 また、CTAPのウェブサイトには、開発者が気軽にFDAに問い合わせられるような仕組みが示されている。

 例えば、何か提案がある場合、指定されたメールに情報を送ると、トリアージチームによって24時間以内に受領の返事が来る。さらに、その提案に関して必要な情報を問い合わせするなどして、ディスカッションを開始するための十分な情報のやりとりをする。加えて、その提案について取りまとめられた内容は、FDAのしかるべき審査官に送られる。その後、pre-INDミーティング、IND、EUAs、新薬承認申請(NDA)に向けて、各ステージにおける適切なアドバイスを受けることができる。

 FDAの中では、各分野の責任者が、人員配置のサポート、試験デザイン、エンドポイントの選択、および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応に関する一貫性について定期的に話し合っている。臨床および生物統計の専門家も情報を共有し、統一したアプローチができるようにしているという。こういった取り組みを通じ、FDAは、可能性のあるプログラムに対して非常に(extraordinary)早く対応できるようにしており、今後も対応スピードを標準タイムラインより一層(dramatically)加速させるという。

 「迅速かつ組織的な対応」について「情報開示」でアピールすることで、業界関係者のFDAへの信頼感も増しているようだ。