日本の株式市場に上場するバイオスタートアップ企業の株価を週ごとにウォッチしていく「バイオベンチャー株価週報」。2021年12月10日金曜日の終値が、前週の週末(12月3日)の終値に比べて上昇したのは16銘柄、不変だったのは3銘柄、下落したのは29銘柄だった。

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 この間、上昇率の第1位はリボミックで、+41.4%だった。第2位はDelta-Fly Pharmaで+11.3%、第3位はセルソースで+9.3%と続いた。一方、下落率では大きい順にメドレックスが-22.8%、ファンペップが-18.8%、ペルセウス・プロテオミクスが-9.4%となっている。

リボミック(180円、前週比+41.4%)

 12月3日から10日にかけて上昇トレンドを維持し、40%以上値上がりしている。開発中の抗FGF2核酸アプタマーであるRBM-007について、11月19日に開催された決算説明会で中村義一社長が「複数の製薬会社から問い合わせや提携の打診がある」「トップラインデータがまとまってから提携交渉を開始したい」などとポジティブな発言をしていることが、引き続き好感触されているようだ。

 同社が上場した2014年9月25日の終値は1902円、時価総額は230億円だった。12月10日時点の時価総額は250億円となり、今週の値上がりでようやく上場時の水準に評価額が戻った形だ。当時と比べてパイプラインの開発が進捗しているため、さらなる上値を狙う余地があるということになる。もちろん株価は理屈通りには動かないが、時価総額も1つの指標にはなるだろう。

 次のカタリストが近いのも人気の高まりの背景にある。12月末までにはRBM-007の第2相試験のトップラインデータが同社に届く見込みで、2022年1月10日のJ.P. Morgan Annual Healthcare Conferenceで発表される予定であることから、引き続き短期筋の資金が集まり、大幅な値動きを繰り返しそうだ。

Delta-Fly Pharma(1430円、前週比+11.3%)

 カタリストが近いという点では、Delta-Fly Pharmaも人気が高まっている。同社がEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんを対象に開発中のDFP-14323は、既承認薬で急性非リンパ性白血病治療薬のウベニメクスであり、EGFRキナーゼ阻害薬のジオトリフ(アファチニブ)との併用療法が第2相臨床試験の段階にある。注目されるのは、このDFP-14323が「タグリッソ超え」を果たせるか否かという点だ。

 タグリッソは現在最も売れているEGFRキナーゼ阻害薬で、有効性が高く年間5000億円近い売上高を誇る。DFP-14323はそのタグリッソが第3相のFLAURA試験で示した無増悪生存期間の18.9カ月を超える成績を出せるのでは、との期待が高まっている。2021年5月時点では16.3カ月とのデータが得られており、次回の転帰調査でその答えが判明する予定だ。転帰調査の時期が2022年1月に迫っており、2月には発表されるとの期待が高まっている。

 第2相試験の結果が良好であっても、第3相試験が必要と考えられ、DFP-14323の上市予定時期は2026年3月期の上期と、かなり先だ。しかし、製薬企業との提携などが期待できる他、臨床入りしているパイプラインも他に4本あるため、短期・長期の両方から買いやすいという側面もある。

ファンペップ(267円、前週比-22.8%)

 12月10日に267円(前日比-11.3%)を付けた。前週にオミクロン株に対応したワクチン開発への期待などにより大幅に上昇したが、前々週の水準以下にまで下がった。ファンペップと同時に前週に値上がりしていたメドレックスも前々週の株価に戻っており、結局は「全値戻し」となった。

 ファンペップが値下がりした理由として幾つか要因がありそうだ。12月13日にファンペップから新株予約権の第三者割り当てが行われ、14日から権利の行使期間が始まる。このため株式の希釈と下落がしばらく続くとの見込みが高まったことが1つ挙げられる。また、12月2日に同社の前社長が保有株式を10万株売却したことが判明した。前週の値上がりが創業関係者の「新型コロナウイルス・オミクロン株への対応を開始する」といったTweetが起点と考えられたことから、関係者の相場への関与の仕方に投資家が嫌気したとも考えられる。さらに、前週の値上がりが思惑相場で短期筋が買いに走り、単純に長続きしなかったことも要因として考えられる。

順位社名株価(終値)騰落率
12月3日12月10日
1リボミック63389541.4%
2Delta-Fly Pharma1285143011.3%
3セルソース689075309.3%
4DNAチップ研究所4264505.6%
5ステラファーマ5525794.9%
6オンコリスバイオファーマ6026274.2%
7クリングルファーマ6186423.9%
8ペプチドリーム268427793.5%
9キッズウェル・バイオ4644772.8%
10メディシノバ3593651.7%
11セルシード2052081.5%
12ラクオリア創薬8959051.1%
13テラ1001011.0%
14サンバイオ101510251.0%
15カルナバイオサイエンス9539570.4%
16ナノキャリア2762770.4%
17メディネット54540.0%
18オンコセラピー・サイエンス73730.0%
19ブライトパス・バイオ1131130.0%
20免疫生物研究所408407-0.2%
21ステムセル研究所47854760-0.5%
22デ・ウエスタン・セラピテクス研究所236234-0.8%
23トランスジェニック462458-0.9%
24カイオム・バイオサイエンス205203-1.0%
25ジーエヌアイグループ14201406-1.0%
26タカラバイオ26532623-1.1%
27総医研ホールディングス352348-1.1%
28キャンバス182179-1.6%
29アンジェス396389-1.8%
30ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング597585-2.0%
31ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ610597-2.1%
32モダリス715697-2.5%
33リプロセル228222-2.6%
34ソレイジア・ファーマ105102-2.9%
35フェニックスバイオ554537-3.1%
36窪田製薬ホールディングス160155-3.1%
37レナサイエンス814786-3.4%
38ユーグレナ748722-3.5%
39ステムリム530511-3.6%
40シンバイオ製薬12361180-4.5%
41ヘリオス12971232-5.0%
42そーせいグループ20631955-5.2%
43ファーマフーズ22752151-5.5%
44プレシジョン・システム・サイエンス529497-6.0%
45スリー・ディー・マトリックス354323-8.8%
46ペルセウスプロテオミクス405367-9.4%
47ファンペップ329267-18.8%
48メドレックス180139-22.8%