シリコンバレー創薬騒動(第39回)

シリコンバレー流歓送迎会

(2017.12.08 12:00)
赤間勉=元Anacor Pharmaceuticals社, Research Leader

 よく知られていることと思いますが、こちらではいわゆる夜の飲み会的なものは、ゼロではないものの、滅多にありません。会社にゲストを迎えた場合にはグループでディナーを共にする場合もありますが、夜に一緒に飲むというのは通常プライベートでもかなり親しい間柄でのことで、単に会社の同僚であるというだけではそこまでしないのが普通です。

 それでは歓迎会や送別会の類いはしないのかというとそんなことはなく、多くの場合、外のレストランでのランチで行います。そういう場合は車で移動しますが、会社を出てから戻るまでに2時間ぐらいかけることも多く、カープール(乗り合い)していれば、各自の午後の予定にもよりますが、ビールやグラスワインなど軽めのアルコールも「あり」です。私の経験上では、こういった場合の費用は通常、会社経費となります。

 歓送迎会というわけではありませんが、色々な所に散っている、以前の勤務先の同窓会のようなことをランチで行うこともあります。シリコンバレーは自発的な転職やレイオフにより人の流動性が高いのですが、転職しても同じシリコンバレーエリアにいる場合が多いので、折に触れ集まってお互いの近況報告をし合うようなことも可能になります。

 さて、送別会の話が出たところで、本連載も今回をもっていったん終了とさせていただきます。これまでお読みいただき、ありがとうございました。当初は15回ぐらいで終わるかなと思っていたのですが、思いの外長く続けさせていただきました。ウェブサイト上で書けなかったようなことは、私が都内で2018年秋のオープンを目指している小さな居酒屋風の飲食店においでいただければ、お話しできるかと思います(笑)。

 最後に、この場をお借りして妻と2人の子供たちにも感謝したいと思います。日本の会社からシリコンバレーのベンチャーへの転職を考えていたとき、妻は米国への移住に驚くほどすんなりと同意してくれました。それがなければその後の展開も無く、全く違った人生になっていたはずです。子供たちは小さかったので、当時まだ意見を言える状況ではなく、親に連れられて海を渡りました。色々苦労をさせてしまったので申し訳ない部分もありますが、英語も親よりずっと上手になりましたし、取りあえず付き合ってくれたことに感謝しています。

赤間勉(あかま つとむ)
元 Anacor Pharmaceuticals, Research Leader
赤間勉 1964年生まれ。89年協和発酵工業(当時)入社。主に新規抗癌剤の合成研究を行う。2001年米Geron Corporation社(カリフォルニア州メロンパーク)入社。テロメラーゼ関連医薬の合成研究。03年米Anacor Pharmaceuticals社(カリフォルニア州パロアルト)入社。抗炎症薬および感染症治療薬の合成研究に関わる。この間、年を追うごとに趣味の料理に割く時間が増え、将来は飲食店の開業を目指している。ブログもやっているので、そちらも併せてご覧いただきたい。
 このコラムは、米バイオテク企業にスタートアップから参加し、大手製薬企業に買収されるまで同社で研究者として過ごした赤間勉氏による手記です。赤間氏は、協和発酵工業、Geron Corporation社を経て、2003年6月にバイオテク企業の米Anacor Pharmaceuticals社に入社し、2016年6月の米Pfizer社による買収を経て、2016年12月まで研究者として勤務しました。シリコンバレーに拠点を持つバイオテク企業の内側から見た実像を伝えていただきます。

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