シリコンバレー創薬騒動(第34回)

シリコンバレー流会社イベント

(2017.10.20 08:00)
赤間勉=元Anacor Pharmaceuticals社, Research Leader

 前回、私がいたベンチャーは出費に関して非常に慎重なマネージメントだったと書きました。しかし会社主催の各種パーティーイベントにはそれなりの予算が充てられていました。

 年末には、日本での忘年会に相当するような、ホリデーシーズンのパーティーやイベントを行います。私たちの会社では、VIPチケットで楽しむシルクドソレイユの公演が一番人気で、3、4回は行ったような気がします。VIP専用入り口から入った先に専用テントがあり、開演前にシャンパンやワインと豪華なオードブルが飲み放題、食べ放題。ショーの座席はもちろん特等席です。他にも船上ディナークルーズとか、人気のミュージアムを貸し切りでのディナーとか、アメリカのパーティーカルチャーの一端を体験させてもらえました。

 加えて毎年ではありませんでしたが、夏の平日日中にいろいろなレクリエーション施設でランチを取りながら遊びに行くという企画もありました。名前は忘れてしまいましたが、ボーリングやカーリングの親戚のようなゲームを屋外で行うものとか、horse shoe throwing(馬蹄投げ)といったものです。どれもシンプルな遊びですが、大勢でやるとそれなりに盛り上がります。

 会社の新規株式上場(IPO)や臨床試験のポジティブな結果などといった各種のマイルストーンでは、主に社内でケータリングによるスペシャルランチになりました。こういう時にもワインやシャンパンなどが用意されます。最初の新薬がbり食品医薬品局(FDA)から承認された時には、バスをチャーターして近所のお洒落なワイナリーで乾杯、眺めの良いテラスでお祝いランチをいただきました。

 今年も間もなくその季節ですが、ハロウィーンではほぼ毎年、仮装パーティーが行われ、投票によるアワードなどもありました。

 会社のオフィシャルなイベントではありませんでしたが、有志が企画するハッピーアワーも時々ありました。ハッピーアワーというのは、主にビールやワインと、チーズやチップスなど軽めのおつまみを用意して、金曜日の午後などに行う、出入り自由でゆるめな雑談イベントで、会社主催で行われることもあります。

 ちなみにハッピーアワーにはいろいろな形態があって、ホテルのロビーで行われていることもありますし、大学に行くと研究室や研究所単位で行われていたりもします。レストランでは、ある時間帯に幾つかのメニューが割引になったりします。

 シリコンバレーの著名なIT企業だと、車で4時間ほどのレイクタホという人気リゾートで、スキー場をまるまる貸し切りにしての社員旅行なんていう話も聞いたことがあります。やるときはやるという感じで、くっきりとしたメリハリが感じられますね。

赤間勉(あかま つとむ)
元 Anacor Pharmaceuticals, Research Leader
赤間勉 1964年生まれ。89年協和発酵工業(当時)入社。主に新規抗癌剤の合成研究を行う。2001年米Geron Corporation社(カリフォルニア州メロンパーク)入社。テロメラーゼ関連医薬の合成研究。03年米Anacor Pharmaceuticals社(カリフォルニア州パロアルト)入社。抗炎症薬および感染症治療薬の合成研究に関わる。この間、年を追うごとに趣味の料理に割く時間が増え、将来は飲食店の開業を目指している。ブログもやっているので、そちらも併せてご覧いただきたい。
 このコラムは、米バイオテク企業にスタートアップから参加し、大手製薬企業に買収されるまで同社で研究者として過ごした赤間勉氏による手記です。赤間氏は、協和発酵工業、Geron Corporation社を経て、2003年6月にバイオテク企業の米Anacor Pharmaceuticals社に入社し、2016年6月の米Pfizer社による買収を経て、2016年12月まで研究者として勤務しました。シリコンバレーに拠点を持つバイオテク企業の内側から見た実像を伝えていただきます。

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