昔に比べると、この点に関してはだいぶフレキシブルになってきているという話を聞きましたが、恐らく今でもNGという日本企業は少なくないと思います。私が知る限り、欧米ではこれは当たり前にOKです。学会の場合、ハワイやラスベガスをはじめ、サンフランシスコやロサンゼルス(ディズニーランドがあるアナハイムとか)、ワシントン.D.Cといった、観光面でもメジャーな都市で多く行われるのには、そういった側面もあります。もちろん大きなサイズの学会は、大きなコンベンションセンターのような施設が必要なので、そういう施設がある都市は限られるという事情もありますが。

 学会などの学術集会は多くの場合、家族帯同での参加者がいる前提でアレンジされますし、期間中にexcursionのようなオプショナル企画がある場合も多いです。学術集会の前か後、同じ場所に数日間滞在する場合なら、往復の交通費は変わりませんし、遊ぶ日数分は有給休暇を使い、その間のホテル代等はもちろん自腹ですので、何の問題もありません。

 もちろん出張は学術集会への参加に限りません。例えば私が米国から中国のCROなどに出張した場合、「家族の所に寄って来るんでしょ? え、3日だけ? もっといればいいのに」といったことを当たり前のように言われたものです。さらに言えば、業務があるのは中国だけで、休暇をつけて日本に立ち寄ることでフライトが若干高くなったとしても、「何言ってるの、それくらいノープロブレム」といった感じで完全に誤差扱いでした。同僚たちも、仕事でドイツに行くからベルギーの友人のところにも寄ってくる、といったことは日常茶飯事でした。

 日本も米国も、同じ業種の会社の組織構成はほぼ同じですが、フレックスタイムの回にも書いたように、考え方は正反対の場合もあるということかもしれません。仕事と遊びをくっつけるなどあり得ないとか、出張に行きたくても行けない人だっているのだから、行ける人だけがいい思いをするのは不公平という考え方もある一方で、せっかくチャンスがあるのなら生かさない手はないとか、職種が違えば役得的なものの違いもあって当然という考え方もあります。

 関連してもう1つ、シリコンバレーのバイオテクで働いていて知ったことは、全員とは言いませんが大部分の社員が有給休暇をきれいに使い切ることです。日本では、たまった休暇を使い切れずに流してしまうことが珍しくないと思いますが、こちらでは流れそうになると、特に理由が無くても休んだりして、消化に努めます。

 ちなみに有給休暇のことは英語ではPTO(Paid Time Off)といいます。会社によって、バケーションと病欠が一緒になっている場合と、別々になっている場合があります。一緒というのは、理由のいかんを問わずに、例えば年間20日のPTOがあるような形、別々の場合というのは例えばバケーションが年間14日あり、加えて病欠(sick leaveといいます)が10日あって、トータル24日間のPTOがあるといった形になります。

 リモートワークが可能な最近のIT系の会社では、有給休暇の年間日数制限無しというところもあると聞きました。バイオ系でも職種によってはリモートワークが可能ですし、今後色々と変わっていくかもしれませんね。