名古屋工業大学 大学院未来材料創成工学専攻 ナノ・ライフ変換科学分野およびオプトバイオテクノロジーセンターの神取 秀樹教授、井上 圭一助教らのグループは、光のエネルギーを使ってナトリウムイオン(Na+)を細胞から汲み出す新しいタンパク質(ナトリウムポンプ型ロドプシン:NaR)について、謎とされていたNa+の輸送メカニズムの全体像を明らかにしました。今回の発見をもとにタンパク質のNa+輸送を制御できれば、脳神経研究などの応用が可能になり、様々な脳神経疾患へ治療法の開発に寄与すると期待されます。また神取教授らはこれらの知見をもとにNa+以外のイオンを輸送することにも成功しており、将来的には光のエネルギーを使って神経細胞からリチウムイオン(Li+)を輸送する新しいうつ病の治療法の開発や、環境中のセシウムイオン(Cs+)などを除去する技術にもつながる可能性があります。