魚類での雌と雄の決まり方は種ごとに非常に多様であることが知られています。今回の研究は、北海道大学、愛媛大学、及びシンガポールのテマセク生命科学研究所の共同で、魚類の性分化における始原生殖細胞(卵や精子のもととなる細胞)の役割を調べました。通常は30-40個であるゼブラフィッシュの始原生殖細胞の数を顕微操作によって増減し、それぞれ操作された個体の性を調べました。その結果、1:1の性比となるには10個以上の始原生殖細胞が必要であり、それより少ない場合には性が雄に大きく偏り、始原生殖細胞を欠く個体はすべて雄になるという結果を得ました。すなわち、「個体の性が生殖細胞の量に依存して分化すること(始原生殖細胞量的性分化)」が明らかにな りました。さらに、これらの個体での始原生殖細胞の増殖・分化過程及び、遺伝子の発現パターンを網羅的に解析したところ、未分化生殖腺が卵巣へ分化するための生殖細胞の増殖及び減数分裂への移行が、生殖腺へ移動した始原生殖細胞の数に依存することが明らかとなりました。

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