友永雅己 霊長類研究所准教授、斎藤豊(とよし)名古屋港水族館飼育第2課長、上野友香同課員らのグループの共同研究で、これまでエコロケーション(反響定位)などの聴覚への依存度が大きいと考えられてきたハンドウイルカを対象に、彼らの視知覚の能力について詳細な検討を行い、ヒトやチンパンジーなどの陸上に適応してきた動物ときわめて類似した知覚能力を有することがわかりました。本研究では、名古屋港水族館に暮らすイルカ3個体に対して対面式の見本合わせ課題を実施し、〇×△などの9種類の幾何学図形をペアにして、それぞれのペアにおける正答率をもとに知覚的類似度を算出しました。また、結果の比較のため、霊長類研究所のチンパンジー7個体を対象にコンピュータ課題で同様の実験を行いました。また、20名のヒトを対象に質問紙を用いた類似度評定を実施しました。その結果、すべての種において、〇や□などの閉鎖図形が類似して知覚されるなどの共通した傾向が見られました。これらの結果は、陸上と水中という異なる環境に適応し、視覚への依存度が大きく異なる種間においても「見ている」世界がよく似ている可能性を示唆する興味深い成果です。

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