日本バイオインフォマティクス学会(松田秀雄会長)は、2011年4月18日、「東日本大震災での会員の被害状況」を取りまとめ、中間報告を行った。

 中間報告では、アンケートに対して回答のあった東北大学の6つの研究室および国立環境研究所・環境リスク研究センター(つくば市)の被害状況を報告している。「いずれも研究室レベルの報告であり、被害状況の全容の把握には至っていないが、建物を含む設備に大きな被害が出ており、早急に復旧することが必要であることと、実験系では培養中の細胞、実験サンプル、マウスの多くが失われ、研究の再開には非常に長期の時間が必要とすることがわかる」としている。

 東北大学・加齢医学研究所の研究室では、「建物にX 字の亀裂が入り、危険度判定で「要注意」で立ち入り制限中。設備はFACS、蛍光顕微鏡、リアルタイムPCR 装置などが修復できない被害を負った。培養室でインキュベータが転倒し、培養不能となった」と報告。

 東北大学・工学研究科材料システム工学専攻では、「建物は、主柱にX状の亀裂およびせんだん亀裂が1階・2階部分に入り、建物全体が立入禁止。設備は、多数が落下・転倒し稼働しない状況。例として、NMR JEOL(1億円)が設置ずれ、精密滴定熱量計(1500 万円)が破損(破損80%)、高感度時間分解蛍光分光光度計(1500 万円)の光学系
が変形、FT-IR 赤外分光光度計(200 万円)が落下、純水製造装置(200 万円)が転倒(30%破損)、クリーンベンチ(130 万円)が転倒し汚損するなどし、いずれも使用できなくなった。装置類の調査だけでも数か月を要する」と報告。

 東北大学・情報科学研究科の研究室は、「建物については、工学部だけでも2、3個の建物が倒壊の危険ありとの判断がされて立入が制限されている。設備は、多くの計算機が転倒・落下して破損している」と報告。

 東北大学・薬学部の研究室は、設備について、「NMR は8台中2台の破損が確認され今後の使用不能、他の4台はクエンチ(内部の液体ヘリウムが蒸発)し復旧に時間がかかる。冷蔵庫は転倒しなかったものの中がめちゃくちゃになった。ディープフリーザーも温度が上がってしまっていた」となどと報告している。

 また、多くの研究室で実験サンプルや実験動物などが使えなくなり、研究が大場に遅れる見通しだ。被災した研究者に対しては、国内のみならず、海外の研究機関などからも幅広く支援の申し出がなされているが(関連記事1関連記事2関連サイト1関連サイト2関連サイト3)、被害状況によっては研究の再開までに数カ月単位の時間を要するケースもありそうだ。

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