明治大学先端数理科学インスティテュートと科学技術振興機構(JST)が東京・千代田に設置する「錯覚美術館」の2011年3月14日の開所が、東日本巨大地震の影響で延期になった。3月14日と15日に明治大学駿河台キャンパスのアカデミーコモン9階講義室で開催される予定だった「第4回錯覚ワークショップ―CREST『計算錯覚学の構築』キックオフワークショップ―」の開催は中止になった。

 ワークショップは「明治大学先端数理科学インスティテュート錯覚と数理の融合研究拠点」と「JST、CREST『数学』領域『計算錯覚学の構築』」が主催し、明治大学グローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」が共催で開かれる予定だった。

 錯覚美術館を主宰するのは、JST、CREST「計算錯覚学の構築」の代表を務める杉原厚吉・明治大学研究・知財戦略機構先端数理科学インスティテュート錯覚と数理の融合研究拠点リーダー・特任教授。錯覚美術館には、だまし絵を立体化した「不可能立体」や、静止しているのに動いて見える「錯覚アート」など、錯覚研究の中から生み出された30点ほどの作品(図形、画像など)が展示される。また、数学を用いて錯覚という現象を解明しようとする研究分野「計算錯覚学」の研究拠点にもなる。

 錯覚美術館はオープンした後は、毎週土曜日10時から17時まで開所の予定だ。所在地は千代田区神田淡路町1-1神田クレストビル2階。入館は無料だ。

 「あいまいな人間の目の感覚と、厳密な数学と間のギャップは大きい。現象解明は簡単なことではない。人間の知能は柔軟。今後ますます、重要な研究領域になる」と、明大駿河台キャンパスで3月9日に開かれた「第11回マスコミ交流会」で、杉原特任教授は語った。「錯覚の不思議な世界を楽しんでもらうとともに、目で見る情報だけに頼る危うさも感じてもらえれば」と、杉原特任教授は錯覚美術館設立の狙いをプレスリリースで解説している。

 杉原特任教授は、2010年5月に米フロリダで開催された「世界錯視コンテスト(Best Illusion of the Year Contest)」において、不可能立体「何でも吸引4方向滑り台」で最優秀賞を受賞した。この受賞がNature誌で取り上げられたことが、錯覚美術館の実現に結びついたと、マスコミ交流会で話した。(河田孝雄)


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