若手研究者や女性研究者を支援する大型プロジェクトの最先端・次世代研究開発支援プログラムで、採択者の決定が大幅に遅れている。

 最先端・次世代研究開発支援プログラムとは、若手・女性研究者約300人に、4年間で最大2億円の研究支援を行うという内容の施策。09年度第1次補正予算による500億円を原資としている。

 研究領域は、ライフ・イノベーションとグリーン・イノベーションに限定。自然科学系だけでなく、人文科学系の研究も対象としている。

 科学研究費補助金の若手(S)が09年度採択分で廃止されるなど、独立したい若手研究者にとって研究環境は厳しくなるばかり。それだけに、最先端・次世代研究開発支援プログラムへの期待は大きくなっていた。

 同プログラムに応募資格があるのは、2010年4月1日時点で満45歳以下(医学、歯学の博士課程修了者などは例外)の研究者。ただし、女性研究者に年齢制限はない。応募は5月で締め切られている。応募者は約5600人に上った。

 当初は、2010年末までに採択者が決定され、年明けには研究費が振り込まれるとの説明がなされていた。実際、応募書類の評価を担当した日本学術振興会の作業は予定通りの11月中に完了。あとはCSTP議員などによる選定を経るだけとなっていた。

 しかし、ここから作業が進まなくなった。その原因は、9月に科学技術政策担当の内閣府政務官に就任した和田隆志・衆議院議員にあるとされる。実際、2011年1月13日の記者会見で作業の遅延について聞かれた和田政務官は、「プロジェクト自体を駄目だと言っているのではなく、誰に何をやってもらうかをきちんと決める必要がある。現段階では、その判断をするための材料が足りない」と発言。さらに「足りない材料とは何か」との質問に対して、「一般国民が読んで研究内容が分かるような書類の提出を、5600人全ての応募者に要請しようと考えている」と答えた。

 もしCSTPが和田政務官の言葉通りに対応すれば、この時期からでは年度内の採択者決定は絶望的となる。(河野修己)


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