明けましておめでとうございます

 長引く経済不況の中、昨年の当社ビジネスを取り巻く研究、製薬、診断薬市場も同様に影響を受けました。
 
 製薬関連では、大型薬の特許切れに関連する2010年問題に端を発し、開発費は増えているものの臨床試験への投資が増え、創薬候補が減少し、CROへの外注を控える傾向が続きました。

 大学や公的機関の関連する基礎研究の分野でも、政府の仕分けもあいまって、結果的に予算確保の面で明暗が分かれ、トータルの研究費は押さえられつつ、メリハリをつける配分となりその影響を実感致しました。ゲノム解析、遺伝子機能解析領域では、解析競争から実用化への動きが少しづつ顕著になり、研究によって開発された遺伝子改変マウスの活用が増えるにつれ、従来の系統のマウスが減少する傾向が顕著に出て参りました。

 診断薬領域では、遺伝子検査は増え続けているものの収益を上げるまでにはまだ至っておらず、従来の検査試薬の分野でも価格競争が継続し、市場においても大型のM&Aも起こりました。

 このような環境は新年においても継続すると予想しておりますが、当社バイオ事業は新年に向けて二つの方向性を堅持し発展させて参る所存です。
1.in vivo~ex vivo~in vitro領域の技術を充実させ、研究・創薬支援事業の為の製品やサービスを拡充・促進させる。
2.診断薬原料等を核に更なる新世界市場への進出促進。

 基礎研究や創薬において、時間の短縮が必要不可欠です。時間を短縮する為には、スクリーニング期間を短縮し、その後の研究で従来の手法等を用いその有用性を確認するという事が重要であるといえます。実験動物領域においては、「品質の高い動物」から遺伝子改変動物などの「病気の原因が明瞭な病態モデル」の活用へ移行し、遺伝子改変マウスの作出については簡易的にウィルスや他の試薬を用い先ずはその機能を推測する方法、更に実験動物代替法、特に「細胞」などを用い、動物実験前にある程度絞込みをする方法などがあります。


 これらは当社が過去に行ってきた方向性であり、必要不可欠な動物実験を「動物愛護」の面も鑑み必要最小限に減らしながら、顧客の研究促進のお手伝いをするという事であり、今後もこの姿勢を保ちつつ、顧客ニーズに応えたいと思っております。その為には、当社内の研究開発を更に充実させ、特にiPS細胞領域も意識しながら、更にアカデミアやJVとの連携、また当社顧客も含めた企業との連携も視野に入れ、新製商品を積極的に市場にご評価頂けるよう、当社の永年培ったセールスネットワークを最大限に活用して行きたいと思っております。

 また、近年、抗体医薬等のバイオ医薬登場以来、ヒトへの外挿性の高い動物実験が望まれております。これまで日本では、カニクイザルや赤毛ザルが用いられており、ニーズに伴い使用数が増加して参りました。この傾向の中、当社グループでは、数年前よりいち早くミニブタに注目し、医薬開発目的の試験の受託をして参りました。ミニブタの臓器や皮膚はヒトに非常に類似しており、実験結果もよりヒトへの外挿性の高い結果になると期待しております。

 当社は昨年ミニブタの系統では世界的に有名なゲッチンゲンミニブタの生産メーカーであるデンマークのEllegard社と提携致しました。更に良質なミニブタを市場に投入し、また従来培った受託試験にも利用開始しております。よりヒトに近い動物を用いる事で、よりヒトにおける治療効果や副作用等がわかるよう支援し、開発期間の短縮や動物福祉に役立てたいと願っております。

 当社は、診断薬原料周辺においては30年以上、欧米への輸出を手がけ、米国ではOYC Americas、欧州ではOYC-EUを法人化して参りました。今後もR&Dを担う当社を核に、米国から南米まではOYC Americasが、欧州からアジアを除くユーラシア大陸とアフリカをOYC-EUが更なる市場開拓向けてチャンレジして参ります。中国、インド、韓国、台湾を中心とするアジアについては当社が市場拡大に注力しており、これまでの海外現地法人化の例に倣い、販路構築と市場確保の後に拠点の構築を順じ進める所存です。

 また、数年前より、実験動物用飼料を中心とする分野においても、アジア特に韓国、台湾、中国を中心に西洋医学の発展に伴い、良質の研究開発素材の提供にチャンレジして参りました。アジアとっては新しい品質、当社にとっては歴史のある製品ですが、本年は本格的な協力関係が構築出来る事を確信する元年となるよう注力する所存です。

 当社にとって新たな分野として位置づけ近年注力している分野に、分析事業があります。これは診断薬で培った分析事業をコアに、生化学、免疫、遺伝子技術を用い、実験動物やペットの検体分析をサポートしております。更に人獣共通感染症というキーワードで、頻度は少ないものの海外にしかない重要な分析においても実施可能な努力を継続しており、今後も更に項目を増やし貢献したいと思っております。

 また、当社は食品メーカーであり、上記と同様の技術を用い、「食の安心・安全」をキーワードに「アレルゲン分析」の拡充を図りました。自社製品でこの分析技術を用い、更に製造工程の改善をする一方、顧客である食品やサプリメントメーカーのご要望に応じ、この分析サービスと経験をベースにサポートしております。残留農薬やトランス脂肪酸、原産地証明等については、欧州に拠点を持つ世界的に有名なEurofins Scientific社と2007年に提携し、高感度・高精度、且つリーズナブルな価格でのサービスを提供しております。

上記目標は短期的では無く中期的に達成して参りたいと思っております。新3カ年計画を新年4月からスタートさせますが、先ずは新年からの3カ月間で助走をつけ、綿密な計画に順じて実行していく所存です。今後とも、会社、事業、社員の成長を志し、お客様各位のニーズに応え、シーズでご協力が出来るよう鋭意チャレンジして参ります。