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東京大学大学院医学系研究科

演題:記憶のメカニズム:分子・細胞認知学の展開

演者:富山大学・大学院医学薬学研究部・医学部生化学講座
教授 井ノ口 馨

日時:平成22年11月8日(月) 14:30~16:00

場所:医学部教育研究棟13階 第6セミナー室

要旨:本講演では動物モデルを用いた私たちの最近の研究成果のうち2つを紹介する。
1.生後脳の神経新生と恐怖記憶の処理過程
記憶獲得後、ある種の記憶の想起は、最初は海馬の働きを必要とするが、時間経過に伴い
徐々にその海馬依存性が減少する。しかし、どのような仕組みで記憶が海馬依存的な状態
から海馬非依存的な状態へとなるのかについては、これまで分かっていなかった。私たち
は、海馬における継続的な神経新生の程度に依存して、恐怖記憶が海馬依存的な状態から
非依存的な状態へと移行する速度が抑制されたり、逆に加速されたりすることを明らかに
した(Kitamura et al&s_comma; Cell&s_comma; 139&s_comma; 814-827&s_comma; 2009)。
2.シナプスタグ
長期間保存される記憶では、その記憶に対応する特定のシナプスに細胞体から記憶関連た
んぱく質が配達されることでそのシナプスの働きの変化が持続し、記憶が正しく長期間保
存されると考えられる。ところが、どのような仕組みで特定のシナプスのみに記憶関連た
んぱく質を配達し、働かせているのかは分かっていなかった。私たちは、記憶関連たんぱ
く質Vesl-1Sの挙動を解析した結果、記憶関連たんぱく質は細胞内全てに配達された後、そ
の時に使用されていたシナプスだけに取り込まれることを明らかにし、シナプスタグ仮説
が正しいことを実証した(Okada et al&s_comma; Science&s_comma; 324&s_comma; 904-909&s_comma;2009)。


主催:東京大学大学院医学系研究科・神経生理学分野(教授 狩野 方伸)

連絡先:東京大学大学院医学系研究科 構造生理学教室
TEL 03(5841)1440 http://www.bm2.m.u-tokyo.ac.jp/





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