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第106回 日本精神神経学会学術総会
シンポジウム11「処方監査 : 透明性の高い精神医療に向けて」
http://jspn106.jtbcom.co.jp/program.html 

日時:2010年5月20日 (木) 12:30~15:00
場所:広島市 アステールプラザ 1階 中ホール:K会場

プログラム
司会:齊尾 武郎,栗原 千絵子
1)本シンポジウムの主旨について
  齊尾 武郎(フジ虎ノ門健康増進センター ,K&S産業精神保健コンサルティング)
2精神科処方鑑査の実際
  橋本 洋子(己斐ヶ丘病院薬剤部)
3)精神科医からプライマリケア医へ:処方からみる精神科
  山田 嘉則(尼崎医療生協病院)
4)産業医からみた精神医療の疫学的検討と処方箋
  櫻澤 博文(さくらざわ労働衛生コンサルタント)
5)児童精神科医からみた精神科処方
  清水 誠(横浜カメリアホスピタル)
6)精神科・内科・労働衛生:壁のない医師のみた精神科処方
  齊尾 武郎(フジ虎ノ門健康増進センター ,K&S産業精神保健コンサルティング)
7)処方監査:倫理的検討と政策提言
 栗原 千絵子(放射線医学総合研究所,医薬品開発支援機構)

〔コーディネーター: 齊尾 武郎 〕

主旨

 医療連携において、透明性の高い診療は必須である。しかしながら、いわゆる
身体科(精神科以外の診療科)からみて、精神科にはいわく近づきがたい壁が
あり、精神科は身体科から見て、謎のヴェールにつつまれた存在であり、決
して透明性の高い存在ではない。身体科を診療する医師の精神科への接近
を阻む壁、すなわち、精神科の分かりにくさとは、ひとつには精神病理の難
しさであり、もうひとつには精神医療にまつわる社会的な問題(人権や社会
保障など)の扱いにくさである。いっぽう、うつ病、不安障害など、一般には
患者が精神科よりもむしろ身体科を訪れることのほうが多い精神疾患につ
いて、そのすべてを精神科で診ることは現実的でなく、身体科において精神
疾患を診ることは必須である。

 本シンポジウムでは、この「謎のヴェールにつつまれた精神科」への接近
法として、精神病理や社会面の問題をひとまず棚上げにして、「処方監査」
という手段を取る。処方監査とは、処方医の発行した処方箋を主として薬学
的観点から吟味する営為であり、すでに日常診療で薬剤師により実践され
ている方法論である。すなわち、精神科も身体科と同様に医学であること
には変わりなく、身体科と同様の科学的医学の原理が根底を貫いている
のだから、精神科医の処方箋を評価することは、本来は身体科医にとって
も不可能なことではないし、不可能であってはならないのである。

 ところが現実には、精神科の処方ほど名人芸が多くみられる診療科目
はないといっても過言ではないほど、精神科では他医の処方を理解する
ことが難しい。同じ精神科医同士でも他医の処方を理解することが難し
いのだから、「精神科への接近を阻む壁」を乗り越えられたとしても、身
体科医が精神科医の多種多様な処方を理解することは不可能に近い
のである。だが、先に述べたように、精神科といえども医学であり、身体
科と同様の科学的医学の原理が根底を貫いているのだから、かような
他医から理解できない処方が少なくないことは、医療の透明性・公正性
に鑑みて、早急に改善すべき課題であるといえよう。

 本シンポでは、「処方監査」を通じて、実際にあった精神科の問題処方
を提示し、フロアの参加者とともに見直し、身体科医はもちろん、ナース、
薬剤師はもちろん、ユーザー・患者にとっても、納得のいく医療を考える
契機としたい。





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