タカラバイオグループ社員向け年頭の抱負より(抜粋)。あけましておめでとうございます。2010年の新春を迎え、皆様におかれましては健やかに新年を迎えられたことと、心からお慶び申し上げます。

 さて、昨年末にScience誌・Discovery誌・Time誌が、2009年の科学分野の成果のトップにそろってあげたのが、遺伝子治療でした。自閉症遺伝子の発見や遺伝性盲目の視力回復への臨床応用などが、具体例として挙げられていました。残念ながら、タカラバイオグループが関わったプロジェクトの記載はありませんでしたが、”Gene Therapy Returns.” ”The Age of Genetic Medicine Begins.” という各誌のタイトルが示す通り、タカラバイオグループの目指す方向性を信じて、変化にうまく対応し、今年はさらなる躍進の年としていきたいと考えています。

 昨年5月に発表した中期経営計画では、タカラバイオグループ連結で、2012年3月期売上高200億円以上、経常利益10億円の達成を目標として掲げています。日本国以外での売上高が40%を超えてきたタカラバイオグループでは、為替の影響など現下の経済情勢では不透明感は否めませんが、中期経営計画の達成にチャレンジしていきます。そのためには、本年度よりスタートさせた事業部門制をより効率よく進めていく必要があると考えています。

 タカラバイオグループの技術基盤であり収益基盤である、遺伝子工学研究事業部門のミッションは安定的収益の獲得です。バイオ産業界で一番頼りになるソリューションプロバイダーになるためには、他に先んじて技術や価値を切り開き、製品・サービスをどんどん提供していくためのマーケティング力が不可欠です。顧客である研究者とのアクセスルートをさらに拡げ、技術営業力を強化しなければなりません。一般研究分野から先端研究分野・産業分野へも視野を広げる必要があります。新しい新製品・新規サービス上市のスピードアップのために、研究開発・製造・営業の全部門にわたって全体最適で利益を生み出す一気通貫体制をworldwideに構築する必要があります。いわばマーケティングの技術革新が必要です。遺伝子工学から細胞生物学へ軸足を移しつつ、研究開発テーマの再構築を行い、タカラバイオ社とClontech社での研究開発の相乗効果強化と効率化をさらに進めていきます。

 2009年には、国立がんセンターでの再発白血病を対象とした国内初の体外遺伝子治療のFirst Patient In、三重大学での食道がんを対象としたTCR遺伝子治療の臨床研究の開始、京都府立医科大学でのレトロネクチン拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床研究の開始等、着実に遺伝子治療・細胞医療プロジェクトを推進できたと考えています。遺伝子医療事業部門のミッションはバイオ先進医療の早期事業化、つまり体外遺伝子治療のFirst Companyになることです。何が何でもFirstで事業化に漕ぎ着ける気概をもって取り組んでいきたいと思います。

 医食品バイオ事業部門のミッションは、第2の収益事業化です。研究開発費控除前の部門利益は黒字化を達成していますが、研究開発費を回収するに至っていません。この目標を達成するためには、健康食品事業・キノコ事業の両分野において、市場ニーズにあわせるマーケットインの姿勢と技術力で勝負するプロダクトアウトのバランスをとる必要があると考えています。

 タカラバイオグループの強みは、他のライフサイエンス企業と異なり、安定的な収益事業と将来の成長事業をあわせ持つ事業ポートフォリオにあると考えています。この強みを最大限活用し、短期的結果と成長という一見相反する2つの課題の克服にチャレンジしていきます。そのためには、「バイオテクノロジーという技術を売る会社」という原点に戻って、大局的な流れをつかむ視野と日々のオペレーションの積み重ねの2つが必要です。タカラバイオグループのパワーを結集すれば、課題は必ず克服できると信じています。「明るければ強し」という言葉があります。「いつもニコニコ前向き」・「透明性が高い」・「物事に精通している」このどれもが「明るい」と表現されます。今年も明るく前向きに、タカラバイオグループが一丸となって前進していきます。