正夢になることを願って、新年明けましておめでとうございます。

 もっとも、この歳になると一休禅師の句ではありませんが、どこぞやへの一里塚であり「めでたくもあり、めでたくもなし」とも感じます。それでも、毎日美味しくお酒を飲み、食事も摂れる事を感謝しています。

 なにが正夢になれば良いかというと、現在、委員として参加している消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」で、健康食品の健全化が一層前進することです。表示に関するという表題ですが、特定保健用食品、栄養機能食品、病者用食品、いわゆる健康食品(以下はこれらを総合し健康食品と記す)が消費者により良く理解され活用されるために、問題点を総合的に検討し、消費者委員会での審議の論点整理することを目的としています。

 ここで正しい理解の基に健康食品を利用することが大切であると提言し、消費者への正しい啓蒙が進めば消費者、国、企業も大きなメリットがあると考えています。

 2010年が食の機能を正しく表示できるスタートの年になることを願って・・・・。

健康食品と私の係わり

 私が健康食品という迷路に踏み込んでしまった経緯から述べてみます。

 もう何十年も昔の話ですが、油脂からナイロンの生産を検討している会社があるという新聞記事を読み面白そうだと思い入社したのが、豊年製油株式会社(現 株式会社Jオイル、ミルズ)でした。しかし入社したらなんとナイロンへの進出は諦めた年でした。

 製油という食品の会社の中で、私は接着剤やプラスチック化粧板の仕事をしてきました。この分野は当時黎明期で、自分の企画が相次いで商品化した恵まれた時代でした。例えば片面がメラミン樹脂、裏面がメルトンでマージャン台になるコタツ板やこれがご縁で電機メーカーさんに電気冷蔵庫(当時は家庭でも氷の冷蔵庫が普通でした)の上にテーブル台とコンセントの取り付けを提案したところ主要メーカーさんの冷蔵庫にテーブルが付くことになりました。ヤマハさんのモータボートの開発のお手伝いや、青函連絡船等船舶の内装、婚礼家具の材料として全国の家具メーカーを回ったりもしていました。

 良い得意先、良い先輩、同僚、後輩に恵まれたと感謝しています。

 その後、油脂の部門に移り油脂の営業、販売促進などを転々としましたが、ひとたび事故を起こせば先輩が営々と築いたブランドが一瞬にして失われる高いリスクと、それまでしてきた仕事に比べあまりにも利益が少ないと感じました。

 商品開発のセクションに異動したのを機に情報を付加した商品をと考えた一つが1979年に発売したビタミンEと大豆レシチン、サフラワー油をゼラチンのカプセルに詰めたエルフという商品です。企画段階で厚生省(現 厚生労働省)に相談に伺いました。薬事法の解釈は今より厳しかったので参考までに書いて置きます。

 ビタミンEは当然医薬品だが原材料を、大豆油(ビタミンE含有)と書けばよい。大豆レシチンは食品添加物に記載されているのでこの表示でよい。サフラワー油は日本薬局方に収載されている医薬品であるから使用は不可。また、品名はビタミン含有食品のような表示は認められない。固形油脂とのみ表記するのであればよいとの指導でした。当時、日清製粉さんの小麦胚芽油が市場にありましたが、たしかに品名は固形油脂でした。若い頃でしたので固形油脂では消費者はバターやショートニングのような油だと誤認する。サフラワー油は紅花油と同じ物でサラダ油として食べられている。とハードなネゴを続けた覚えがあります。

 今ではこの様なことは無いでしょうが、相変わらず食品であるが故に、摂取方法や有効性の表示ができない状況など多くの問題があります。

 三方一両得が成り立つと考えています。情報が正しく発信されれば、三方一両得が成り立つはずです(大岡裁きの逆)。

・消費者にとって。
 半健康、半病人の方々を健康人として社会に取り戻すための手段の一つになる。

 2005年の人間ドックの受診者数2.671.644名で検査された項目総で異常が無い人は働き盛りの40~49歳代で13.2%、50~59歳代では8.2%にすぎない。つまり10人に9人は健康に何らかの問題を抱えていることになる。

 また、健康の保持・増進に留まらず、健康食品を摂取することにより透析の開始を1年でも遅らすことができれば医療費負担の軽減はもとより当人のQOLの低下を防ぐだけでなく家庭全体にとって大きなメリットがあるだろう。

・国にとって。
 高騰している医療費に歯止めが掛けられる。医療費の高騰がこのまま続けば、だれが考えても国も、個人も医療費で破滅してしまうことになる。厚生労働省の予測では2025年には69兆円に達するという。貨幣価値の違いなどがあり単純比較は出来ないが、1967年は1兆5116億円であった。

・企業にとって。
 食の機能を現代の科学の目から解明したのは昭和59年(1984年)にはじまった文部省(現 文部科学省)の「食品機能の系統的解析と展望」と考えてよいだろう。その成果を厚生省(現 厚生労働省)が、特定保健用食品の制度として立ち上げた。今では欧米でも日本発のFunctional foodで通用するほど国際的な評価も高い。

 健康食品は知的集約型、情報産業型であり資源の乏しい我が国向きの産業であり、かつ品質管理も進んでいるので国内だけでなく有望な輸出産業になれるだろう。

おわりにかえて

 折角、消費者庁の検討会という機会が与えられたので、すでに1兆8000億円規模の市場を形成している健康食品が国民の健康の保持・増進に寄与するためにはどのようにすることが良いかと、将来のビジョンを描き検討を進めるべきと考えます。

 また、健康食品の利用が医療費の削減に効果的と叫ぶだけでは説得力がなく、難しい課題だが健康食品を利用することの経済効果を算定する必要性を認識しています。

※2010年注目のキーワード
自助、共助、公助

 
簡単に解説します。

自助、共助、公助という言葉は阪神淡路大震災の時、生まれた言葉だそうですが、健康の保持・増進でも、よく言われている正しい食生活でも、この言葉は関係しそうです。

つまり、先ずは自分で考え努力しよう。家族等まわりも助けよう。国をはじめ公共団体は研究開発、情報の収集 的確なアウトプットなど公の責務を果すことで、個人、集団、自治体、国とそれぞれの健全化がはかれるものと考えています。

また、この言葉は少し見方を変えれば会社のグループダイナミックスを高めるにも役立つのではないでしょうか。


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