皆様新年おめでとうございます。

 昨年は世界経済の大幅落ち込みで、米国・EUのバイオリファイナリー業界も、R&D計画の中止や遅延などが目立ちましたが、後半からは再開・回復基調が認められます。この動きの中身を見てみましょう。

 バイオ燃料分野では、石油価格の落ち着き(価格は数年前よりはるかに高いですが)がさまざまな影響を生んでいます。好ましい影響としては、石油価格急騰時に計画された、バイオディーゼル原料のオイルパーム、ヤトロファの大規模植林事業はかなりの割合で中止となり、環境保護団体等が指摘していた熱帯雨林破壊ペースの低下となっています。

 一方、セルロースエタノールの実証化計画では、石油価格の安定を背景に、技術面の見直しがされています。すなわち、“革新性のない技術による計画の見直し”です。まず、C6糖およびC5糖(以下、混合糖)の同時利用技術がない企業では、C6、C5を別個の発酵槽で生産する2槽式を採用していましたが、“計画延期”を余儀なくされているところが、少なくないと報じられています。もっとも、混合糖完全同時利用を表明している企業も、技術的にまだ課題を抱えていると言われています。次に、バイオマス糖化における“前処理工程”において、主流とされてきた水熱処理法の課題が指摘されています。“発酵阻害物質”生成の抑制・除去が容易ではないという点です。このため、阻害物質の生成がほとんどない反面、装置費が高いとの理由で評価が低かった"アルカリ爆砕法"の再評価が大きな話題となっています。

 グリーン化学品の分野をみてみましょう。最終ユーザーの自動車、家電、電子業界などの環境対応材料への要望は強まる一方と言われ、化学企業としては、グリーン化学品の供給の成否が今後の業績を左右することから、米国企業の先行を許してきた、EU系企業も一斉に本格的R&D取り組みを表明しています。日本企業は、残念ながらまだ動きが遅い感がありますが、今後の急速な対応が期待されるところです。

 RITEでは、今年も内外の企業との共同研究による早期工業化に注力いたします。詳細は、順次ご報告してまいります。

 ところで、グリーン化学品を我が国で推進していく際には、当然、CO2削減効果への寄与が期待されるわけですが、ここに大問題があります。すなわち、「原料をバイオマスに変換」によるカーボンニュートラル効果は、現在の規定では、実施した化学企業にはカウントされないのです。これでは、化学企業ではインセンティブが働きません。今後、RITEとしては、現状の解析、調査を強力に進めて、改善の方式を関係機関等と連携し提案していく予定です。皆様のご協力を宜しくお願い致しまして、新春のご挨拶とさせて頂きます。

+グリーンバイオ+BTJJ+