皆さん。あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。

 今年は、毎年の漢字の選定にちなんで、来年の漢字を大胆予測してみました。いよいよ明るい年になることを期待して、「明」を選んでみました。

 例年恒例の日経BPの橋本さんからの記事の催促で、恒例の新春展望を書き始めて、去年の内容を見てみると、昨年は、「2009年はバイオの年!そして、バイオ再生元年!」とタイトルを選び、「2007年はバイオ元年、夜明け前」、「2008年はバイオの年、いよいよ夜明けがやってきます」と、少しずつの前進を予測してきたのですが、さすがに今年は変更いたしました(笑)。

 とはいえ、2009年の予測が外れたとは思いません。あまりにも、全体が悪いので、あまりイメージはありませんが、2009年は本当にバイオの年だったんです。

 実際、2009年のIPO市場をみてみると、前半だけでも、正露丸で有名な大幸薬品(東証2部)、JCLバイオアッセイ(ヘラクレス)、テラ(NEO),大研医器(東証2部)、50%を超える比率でバイオ企業が上場しており、その後もデ・ウエスタン、キャンバスなど、他の業種が振るわないのに対して、存在感を示しています。

 2010年も引き続き、この流れが続くと同時にいよいよ産業化が視野に入ってくると思います。民主党に変わり、迷走気味だった成長戦略も、2010年早々にはでてくると思われます。

 その中では、間違いなく、バイオ産業育成は柱の一つになっています(これは、大胆な新年予測ではなく、既に経済産業省で動いている成長戦略を担う5つの委員会の一つがバイオだからです。私もちなみにその委員です)。

 残念ながら日本全体では、政権交代は経済に関してはマイナスになってしまいました。成長戦略のないままのバラマキは、いつか来た道であり、世界の株式市場の中でも日本だけがマイナスという散々な状況です。麻生前総理の見立てだった日本経済全治3年どころか、再起不能になるかも知れません。しかし、2010年には、成長戦略が出ることで、立て直しを期待したいものです。

 アカデミアでの最大の話題であり、将来への不安をもたらしたのは、昨年後半の最大のイベントであった事業仕分けです。将来への投資であり、経済効率だけでは予測できないイノベーションを主体とする科学技術を仕分けするという暴挙がありました。勉強すれば、みんな東大に行けて当たり前、行けないと勉強をする意味がないといわんばかりの理屈で、江戸時代の農民より意識の低い意味不明の財務省の戦略がまかり通り、科研費の削減につながっています。また、地域の大学は、地域の科学技術振興に関与する必要はないという仕分け人の意見で産学官連携予算も大幅に削られるなど、地方の大学を否定するような論理もありました。それでなくても、ジャパン スルーといわれていましたが、いよいよジャパン ナッシングになってしまい、natureにジャパンの自殺といった記事がでるなど、後半は暗い話題満載でした。

 特に、科学技術人材育成を担ってきた学術振興会のポスドクへのグラントまでカットされるなど、次世代の芽も摘んでしまいかねません。仕分け人の意見では、ポスドクに小遣い程度のお金を与えてしばりつけるなど失礼といったものがありましたが、こんな現実を知らない話がまかりとおるようでは、がっかりです。正直怒りを通り越して、こんな国で研究をしている若手がかわいそうになりました。我々研究者も、街頭に出て自分たちが行っている研究を社会に説明をする地道な運動をしなければいけません。

 ただし、暗いニュースばかりではないはずです(ここは、すごく楽観的な期待を込めています)。大学発バイオベンチャー協会の顧問である菅副総理が成長戦略の指令塔ですし、総合科学技術会議も改変されるということですから、2010年には、去年の迷走がうそのような快走をしていただきたいものです。また、国立ナショナルセンターに引き続き、PMDAの改革も、いよいよ仙谷行政刷新担当大臣のリーダーシップのもと、始まるそうですので、こちらも期待したいです。キーワードは、参議院選挙、成長戦略、改革、とあげておきます。

 その期待も込めての「明」ということで、祈るような気持ちで、2010年を迎えたいものです。

 ということで、皆様方には今年もよろしくお願いいたします。

+BTJJ+