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第11回 分子代謝医学セミナー

下記により分子代謝医学セミナーを開催しますので、多数御来聴下さい。

日 時: 
平成21年12月1日(火)19:00-21:00

場 所: 
東京医科歯科大学[湯島地区]医歯学総合研究棟?期棟 23階セミナー室

演 者: 
中村能久 先生 (ハーバード大学公衆衛生学部遺伝・複合疾患分野)

演 題: 
肥満とメタボリックストレス 病原体感知分子による脂肪酸応答とインスリンシグナル調節

概 要: 
肥満によって誘発される病気、いわゆるメタボリックシンドロームが社会問題化している
。近年の解析から、肥満がインスリン抵抗性や糖尿病などの代謝生疾患を誘発するメカニ
ズムが少しずつ明らかになっている。肥満の特徴として、脂肪組織や肝臓が慢性的な炎症
性ストレスに罹っていることが挙げられ、IKKβやJNKといった炎症性シグナル伝達経路が
活性化し、それらが直接インスリン作用を阻害することが示されている。炎症反応は、外
来性病原体や障害を排除することを目的として活性化するが、この反応が、肥満時にどの
ようにして活性化されるのか、いまだ不明な点が多い。
 我々の研究グループでは、代謝調節と免疫応答の間に分子生物学的に多くのクロストー
クがあることに着目し、肥満時に活性化する病原体感知分子に注目してきた。そして今回
新たに、肥満時に脂肪組織や肝臓において活性化するキナーゼを同定した。このキナーゼ
は、ウィルス性二重鎖RNAによって活性化し抗ウィルス活性を有することが報告されている
。興味深いことに、このキナーゼは小胞体ストレスや飽和脂肪酸によっても活性化するこ
とが明らかになった。この分子が小胞体ストレスや飽和脂肪酸によるメタボリックストレ
スを感知すると、インスリン受容体の主要な基質であるインスリン受容体基質(IRS)の機
能を抑制する。また、この欠損マウスの解析から、この分子が体内での脂質の応答性とイ
ンスリン抵抗性を調節
する因子であることが分かった。今回のセミナーでは、代謝調節における脂肪酸応答とイ
ンスリン抵抗性の関係について、このキナーゼの欠損マウスの解析結果を中心にご紹介し
たい。また、インスリン抵抗性の治療において、この分子を標的とした低分子化合物治療
の有効性についても論じたい。

小川佳宏




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