09年10月7日から9日、パシフィコ横浜で開催される我が国最大のバイオ展示会・シンポジウム・オープンイノベーション・アリーナであるBioJapan2009に出展し、シーズ導入や共同研究の相手先を求めるカネカ の狙いを、同社常務理事新規事業開発部の谷叙孝副部長らにインタビューした。「製品だけでなく、旧生化学研究所(フロンティアバイオメディカル研究所)の開発中の技術を公表し、商品化のための提携先を積極的に求める」とBioJapan2009への期待を語った。(聞き手、宮田満)。

---BioJapan2009で、提携先を求める技術・製品は何か?
今回、特に力を入れているのは、トランスジェニック鶏の技術だ。10年間も開発をしており、3種の医療用たんぱく質を卵1個当たり200mgまで生産することができるようになった。実際、組換えニワトリで完全ヒト型抗体が製造できた。完全ヒト抗体を製造してみたが、糖鎖構造が異なるため、CHO細胞で生産したヒト型抗体よりもADCC(抗体依存性細胞障害作用)活性が強いなど特徴のある抗体を開発した。抗体医薬などバイオ医薬の新しい生産系を求めている企業と面談したい。
 また、shRNAを発現した鶏も開発している。具体的には、強毒性トリ・インフルエンザウイルスの保存されている領域に対するshRNAを発現した組換え鶏を育種した。強毒性トリ・インフルエンザ感染耐性の鶏の開発を期待している。近くウイルス摂取実験を予定している。
米国農務省Aの研究所でも開発中だが、まだ成功していない。トリ・インフルエンザの流行が懸念されるインドネシアや中国、ベトナムでは意味があるかも知れない。パンデミックを抑止できる可能性がある。この鶏は、トリ・インフルエンザウイルスのキャリアにもならない。ShRNAなどで卵では異種のたんぱく質として発現されないし、shRNA自体は分解しているだろう。食品として安全性もあるのではないか?

---医療分野では他に何を期待するのか?
再生医療に貢献する自動細胞培養装置を開発している。日立メディコの技術を継承し、当社で洗練させた。完全閉鎖系で骨髄、末梢血を培養可能だ。現在、脂肪由来の幹細胞の培養にも挑戦している。診療所やCPC(細胞処理センター)を維持できない病院向けだ。
独自のカラムである程度目的の細胞を純化して、自動培養装置で培養する。理化学機器として2010年に発売予定している。加えて自動細胞回収や細胞の濃縮まではプロセスを開発中だ。当社が商品化している透析器の経験を活かしたディスポーザブルの培養キットもこの装置のために開発した。バッファーと培養器、バックと細胞を出し入れするパイプがセットになっている。最終的には1000万円程度の価格で商品化したい。
 この他、DNA対合を目視検出チップやPCRの後の電気泳道での遺伝子増幅を呈色反応で検出する技術を商業化するパートナーを求めている。実際の技術は可視光線で呈色するインターカレーターが鍵。大量にPCRを行う際の遺伝子増幅確認用に最適だ。このインターカレーターでDNAに色をつけても、その後の酵素処理などには影響しないのも特徴だ。遺伝子検査などへの用途拡大を希望している。

--食品や健康食品の分野では何を期待するのか?
関西大学と関西のベンチャー企業と共同研究したカネカ不凍たんぱく質がある。
カイワレ大根に低温条件でストレスを与えて、カイワレ大根由来の不凍たんぱく質を大量抽出することに成功した。遺伝子組み換え産物ではない。組換え不凍たんぱく質の代替を狙っている。10ppmで凍結防止に効果があり、味は変らない。
アイスクリームでは乳脂肪を添加しなくても、風合いがでる。米国では組換え蛋白がアイスクリームに添加されている。米の加工品や麺類の劣化防止など様々な用途があるだろう。
 また、活性型のコエンザイムQ10の商業化パートナーも求めている。従来のコエンザイムQ10(ユビキノン)は生体でユビキノールに転換されて効果が出る。カネカはこのユビキノールの大量生産と安定化技術に目処をつけた。米国では06年より販売、国内は07年から発売している。
抗酸化作用が強く、病気やお年寄りなど体内の還元能力の低い方を対象にした健康食品に好適だ。既存のコエンザイムQ10の3分の1でも効果がある。信州大学の老化マウスモデルに投与、老化スコアを抑制するという研究成果が挙がっている。共同研究で作用を確かめたいという申し出も歓迎だ。

----環境分野は別のブースで
環境は展示会場で生分解性プラスチックなど展示の近くの別のブースで承る。PHBH(生分解性プラスチック、C4とC6の混合物)の実証プラントを2010年に当社の高砂工場に建設する予定だ。環境関連技術で面談を希望する方はこちらのブースをお訪ねいただきたい。

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BioJapan2009●パートナリング特集
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