09年10月7日から9日、パシフィコ横浜で開催される我が国最大のバイオ展示会・シンポジウム・オープンイノベーション・アリーナであるBioJapan2009に出展し、シーズ導入や共同研究の相手先を求める中外製薬の狙いを、同社ライフルサイクルマネジメント マーケティングユニット・事業開発部評価推進グループの小石原保夫グループ長にインタビューした。同社は革新的な創薬に繋がる技術、製品を幅広く求め、国内の大学やバイオベンチャーの発掘と育成を熱望している。BioJapan2009の詳細はここをクリック。(聞き手、宮田満)


---焦点を当てている疾患領域は何か?
 当社の2008年の売り上げの上位5位は総て抗体医薬やエリスロポイエチンなどバイオ医薬だ。当社はバイオ医薬開発に極めて前向きであり、基礎から製造、そして臨床開発のプラットフォームが整っている。。
 BioJapan2009のプログラムにも詳細に書いてあるが、がん、骨・関節疾患(リウマチも含む)、腎臓疾患の新薬開発が先行し、最近は糖尿病とC型肝炎(インターフェロンと抗ウイルス剤)にも力を入れている。これが5大テーマである。最近、スイスRoche社から中枢神経系疾患の治療薬も導入して開発している。
 しかし、焦点を当てたい領域はあるが、「イノベーティブな医薬品は何でもやる」といいうのが当社の社長が打ち出した方針だ。革新的な創薬に繋がる製品やシーズは何でも持ち込んでいただきたい。

---BioJapan2009で求める技術・製品は何か?
 領域によって違いはあるが、基本的には革新的な医薬に関連するものは何でも興味がある。新しい創薬標的、バイオ医薬、低分子のシーズ化合物など何でも、対応する。
 当社は大阪大学と共同開発した抗インターロイキン6受容体抗体「アクテムラ」の成功体験がある。このため、大学発のシーズも積極的に開発に取り込んでいる。東京大学からはグリピカン3抗体「GC33」を導入して開発中だ。あまり知られていないが、アカデミアからずーっと拾っている。共同研究から。種をまいて育てる方針だ。当社が着手していない疾病モデルなども興味がある。
 大学はサイエンスを追及、われわれは医薬品を開発する、と「奇麗に協業したい」。但し、必ずしも最先端の研究をやっていても、革新的な医薬品ができるとは限らないことにはご理解いただきたい。
アーリーな研究テーマは研究所の創薬企画推進グループが窓口となって対応する。
領域別にいうと、がん領域はパイプラインも充実しており、ハードル高い。しかし、本当に技術突破するような新しいアイデアは求めている。
 例えば、当社のパイプラインと相乗効果があるものには興味がある。「アバスチン」と併用する医薬品や「ハーセプチン」で治療できないトリプルネガティブやHER2ウィークなポジティブなどの乳がんに効果が期待できるシーズには興味がある。
 腎臓疾患領域のパイプラインは手薄だ。アーリーでも、レートでも技術シーズや製品を求めている。慢性腎不全になることを抑止する治療法などにも興味がある。重要なターゲットだ。糖尿病が人工透析が必要な慢性不全の原因メインになりつつある。その面でも糖尿病の血管病変を抑止する治療薬などのシーズにも興味がある。
 中外製薬の担当者には、BioJapan2009のマッチングソフトを通じてアポイントを申し込める。また、展示会場内のブースでも担当者が常駐しており、対応する。
 
---バイオマーカー・診断薬や医療機器の売り込みにどう対応するか?
 実際はバイオマーカーはやらないが、個の医療をロシュダイアグノスティックなどと提携して開発する。がんでは、バイオマーカーが極めて重要となっている。臨床試験フェーズ1の前から、ファーマコダイナミックス(PD)マーカーが必要になっており、関連した情報提供を希望している。

----実際のライセンスや共同研究のプロセスはどうなっているのか?
 「基本的に門前払いはしない」。まずは、総て私のところに案件が集めるシステムだ。研究、海外導入、製品分野などに応じて、案件を振り分ける。研究所などに振り分ける。製品や製品に近い開発後期の案件は、領域ごとの部署に検討してもらう。
 ここで良い案件であると判断されれば、秘密保持契約を結び、さらに情報開示を行い、共同研究や製品導入を決定する。
 海外の売り込み案件は、ちゃんと製品の内容や競争力をアピールしています。国内ではなかなかきちっと提案をまとめて持ち込んでくる案件は少ない段階だ。当社はこうしたギャップを理解して、国内のシーズにもきちっと対応し、育てる方針だ。「こういったところを、アッピールしたら」、「評価したいが、最低このデータを見てから」というアドバイスもさせてもらう。

---アポイントや面談希望者に対する要望はあるか?
 最低限、サイエンスがしっかりしていることが重要だ。TLOの話はこんなに儲かりますという予測の話だけである場合が多い。ベンチャーの投資会社はビジネスの話だけという場合が多い。BioJapan2009ではまず、サイエンスベースで判断したい。NCベース(秘密保持契約なし)である程度、科学的な製品や技術情報の開示が欲しい。これで判断がつくように準備していただきたい。科学的な事実とそれがどんな商品や発展に結びつくかのストーリーが重要だ。単に論文をもってきても困る。
 パワーポイントのプレゼンでも良いが、分かり易い資料が必要。論文は論文リストがあれば結構だ。PDFなどエレクトリックファイルもありがたい。特許はきっちりしていた方が良いが、最近は先生方も論文になる前に話してくれる場合も増えてきた。是非とも、発表する前には知財の確保願いたい。

----親会社のRoche社もBioJapan2009に出展するが?
 Roche社と中外はそれぞれ独自に技術や製品導入を行っている。但し、稀ですが、商品によっては一緒に評価することはある。

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●BioJapan2009パートナリング特集
●●BioJapan2009見所特集


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