***** seminarMLから情報転載 *****


東京大学グローバルCOEセミナーのお知らせ 4月16日(木)

日時:2009年4月16日(木) 16:00-17:00
場所:東京大学医学部教育研究棟6F 細胞情報学教室N602セミナー室

演者:協和発酵キリン(株)フロンティア研究所 前田 宜丈 博士
演題:構造解析を目指したGPCRの発現と精製--Biacoreで見えてきたもの--
要旨: GPCRは多くの生理活性物質の受容体であり,さまざまな薬物のターゲット受容体である。GPCRは7回膜貫通部位という構造的な特徴を持ち,ヒト遺伝子の中でも最も大きなスーパーファミリーの1つを形成している.現在臨床的に用いられている薬の約半分がGPCRに働くと考えられており,GPCRは創薬の重要なターゲットである.しかしながらGPCRの蛋白質としての理解はあまり進んでいない。GPCRを蛋白質として理解するためには,GPCRの機能解析、構造解析を進めていく必要がある.そのためには組換えGPCRの発現,調製をおこなわなくてはならない.しかし,7回膜貫通領域をもつGPCRを組換え体として発現,調製するのは困難な場合が多い。課題は、1) 組換えGPCRを大量に発現すること、
2) 組換えGPCRを、構造を保持した状態で可溶化、精製すること、
3) 構造解析に適したコンストラクトの形、サンプル調製、結晶化の条件を見つけること、である。組換えGPCRを発現するのは、昆虫細胞を用いたり、酵母を用いたりして解決されつつある。可溶化、精製過程で構造、機能をモニターする確立された方法
が無いので、「組換えGPCRを、構造を保持した状態で可溶化、精製すること」が目前の課題である。通常はアイソトープラベル化リガンドを用いて、それが結合する量でリガンド結合可能なGPCR発現量を見積もっているが、この方法では可溶化、精製の過
程を細かにモニターすることはできない。
そこで、我々はビアコアで、可溶化、精製の過程をモニターできないかと考えて、CXCR4をモデルとして取り組んだ。膜蛋白質を調製する上で重要なことは界面活性剤の選択であり、界面活性剤は可溶化効率が良いだけでなく、機能を維持した状態で可溶
化できるものを選択する必要がある。バキュロウイルス-Sf9細胞で発現したCXCR4(FlagCXCR4GFP、FlagCXCR4Bio)の膜画分を各種界面活性剤で可溶化を行い、N末のタグである抗Flag抗体との結合量(可溶化されている総CXCR4量)、および中和抗
体(12G5)との結合量(立体構造を保持しているCXCR4量)の比率により求めた。その結果、免疫沈降とは異なる界面活性剤が選択された。その界面活性剤で可溶化、精製をおこなったところ、GPCRの会合が抑制されてモノマーGPCRの量が多くなった。このようにして精製したGPCRをビアコアセンサーチップ上に固定化し、人工脂質二重層を構築し、中和抗体、およびリガンドとの濃度依存的な相互作用が確認できたので、ここで紹介する。

事前のお申し込みは不要です。皆様のご参加をお待ちしております。



seminarMLに関する情報は「バイオ関係者、皆のホームページ」特選MailingList_Forum欄でアクセスできる。