2009年は、さらに近年の風潮である、ライフサイエンス研究のアウトプットに向けた研究が推進されると考えられる。これは、これまでのライフサイエンス研究をさらに力強く継続するが、実際に疾患予知・診断、原因治療、生活の質向上、という3方向に向けて、実現的研究、実証的研究が推進されるという意味である。

 ライフサイエンス研究者は、自分達が見いだしてきた分子や分子機構が実際に病因の根幹にからんでいることが証明でき、創成してきた制御分子が、治療に役立つことが夢の一端である。ただ、このことは書いたり語ったりすることはできても、実現は非常に難しい。ライフサイエンスがヒト疾患の原因究明、治療効果判定指標の提供を目指しているとすれば、それは、実現されるべき方向へとしっかりとその足場を固めて実現できるように研究すべきである。

 ここには、ライフサイエンス成果をヒトで、あるいは、患者さんへと実証できるような手段とその整備を行っていくべきである。その中では、分子イメージング手段をさらに活用していく必要があり、そのためには分子イメージング研究をさらに多くの分子レパートリーに進めていくことと、実際的臨床研究現場の整備が急務であり、また、レギュラトリーサイエンスがそれを支えられるように三位一体として機能していくべきである。

 また、私たちは、日本オリジナルの抗疲労・癒しを効能とする食品・医薬品・環境空間開発グッズを開発しようとして研究をしてきており、産官学連携により、大いに気運は盛り上がっているが、ここでも、様々な障害、たとえば、旧態依然とした非科学的な論理が問題となる。

 これらを実現していくには、大いなるエネルギーを必要とするが、我が国は、今こそ、これらのことをどんどん科学的・理知的に進めていく必要性に迫られている。本当の意味での、新連携研究環境整備を行うための夢実現環境特区が必須となる。

キーワード:ライフサイエンスの夢の実現、日本発抗疲労・癒しビジネス創成、新連携研究環境整備


※渡辺恭良センター長・教授の2008年BTJ記事

BTJジャーナル08年10月号(第34号)を発行・公開、
脳科学と疲労研究を特集リポート、
「大学は今」は、世界の大学ランキングを詳報
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7065/ (記事リンク1)

大阪市大COE・総医研、抗疲労効果をヒト試験で検証した成果が相次いで論文発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7326/ (記事リンク2

理研分子イメージング科学研究センター、10月1日から3チーム3ユニットの新体制で始動
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6763/ (記事リンク3

オランダRadboud大、慢性疲労症候群による前頭前野の萎縮が、認知行動療法で改善
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5737/ (記事リンク4

写真更新、抗疲労トクホはいつ実現するか、その科学的基盤も議論する第3回国際疲労学会が沖縄サミット会場で開幕
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5695/ (記事リンク5


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