2008年の新規株式公開(IPO)社数は49社と近年稀にみる低水準でした(07年は121社、06年は188社)。また、経済全体が落ち込み、バイオベンチャー各社にとっては資本市場やベンチャーキャピタルからの資金調達が極めて困難な一年でした。このような厳しい環境のなか、昨年上場を果たした創薬系銘柄は3社で、三菱UFJ証券は、主幹事証券会社としてそのうちの2社の上場をサポートし、ようやく業界での存在感を示せるようになったのではないかと感じております。

 さて、本年、バイオ関連銘柄の株価は二極化がより鮮明に現れると思います。すなわち、業績や研究開発に係わる自社見通し(投資家に対するコミット)を達成する企業は正当に資本市場から評価され株価が上昇する一方で、実績が伴わない「潜在力」や「期待感」だけの企業は、現状の株価維持や高値でのIPOは難しいと思います。

 昨年上場したバイオ関連銘柄では、投資家は強固な収益基盤を持つ企業を好感し高く評価しましたが、これは、投資家が業績達成の確度が高く、業績面での不確定要素が少ない企業を求めていることの現れである、と弊社では見ています。

 一方昨年は、開発パイプラインの前進、製薬企業等への導出契約や事業提携など、明るいニュースも多くあり、「国内バイオベンチャーの技術力を製薬企業等が高く評価した一年だった」と弊社では見ています。今年はこの様なニュースが一層増えるとともに、国内大手製薬企業と大型ライセンス契約等を締結した次世代のバイオベンチャーが複数社上場することを期待しています。また、これを端緒にバイオベンチャー等による資金調達が行い易くなる好循環が生まれることを強く期待いたします。

 多くのバイオ関連企業には、過去の業績や直近の収益予想だけでは評価しきれない「技術力」があることは確かです。弊社は本年も引き続き、優れた技術を有するバイオベンチャーを資本市場に紹介するとともに、こうした企業が資本市場から正当に評価されるためのValuation法を構築する努力を惜しまない所存です。