あけましておめでとうございます。

 昨年来の急激な経済環境の変化は、いわば未達成の“夢”への投資により夢の実現までの長い期間を多くの方々に支えていただくバイオベンチャーにとっては、致命的と言っても過言でないほどの逆風をもたらしています。ただ、既存経済活動がうまくいかない時期は、これまでとは違う新しいものを生み出さなければいけないと言う機運が強くなる、いわば、夜明け前の暗闇であるとも考えられ、精神的には、バイオベンチャーにとって追い風と見ることも出来ると思います。大事な事は、どれだけ誠実に着実に結果を積み重ねてきたか、また今後、積み重ねることが出来ると思ってもらえるかなのだろうと思います。潤沢に資金が流れ込む時期に比べ、益々、技術や姿勢への評価が厳しくなることを、前向きにとらえられるような会社が、生き残るのだろうと思います。

 2009年は、当社設立10周年に向けた節目の年で、正常細胞に影響が少ない抗癌剤作用機序の候補と考えられる「G2チェックポイント阻害」に着目した研究から、初めてその概念にそった実験結果が、狭い研究室の中で出てから10年になります。幸いなことに、最先行化合物CBP501について2007年に武田薬品工業株式会社と共同事業化契約を締結し、2008年秋には悪性胸膜中皮腫を対象とする臨床第2相試験を開始することができました。設立から10年の間にこのような大きなマイルストーンを達成できたことに、この場をお借りして関係各位に改めて感謝の意を表します。

 とはいえ、当社の設立時の目標「全ての癌の完治」に向けては、目標達成にはほど遠い状況にあると認識しています。2009年以降も、CBP501の臨床開発推進と併せ、これに続く化合物の臨床開発、さらなる探索・創出などについてひとつひとつ必要な手段を着実に講じ、さらに、日々積み重なる経験を素に、研究・開発・経済的環境など全ての面で改善・改良を重ね、最終目標の一刻も早い達成まで、歩みを止めることなく着実に誠実に進んでいく所存です。