2008年、日本は世界の動きに振り回され続けた。前半は、石油価格の異常な高騰に続く食飼料を初めとする各種資源の高騰、後半は世界的な経済不況による経済不安、雇用不安、等々。そのため、08年前半に高騰した一部の資源価格は、後半には一気にこれまた異常とも思える急激な下降線を示した。資源に恵まれない日本に生活する私たちは、このような世界を動かす経済のうねりの中で、木の葉のようにもて遊ばれ続けなければならないのだろうか。

 世の中はいやおうなしにグローバル化しており、私たちの生活が世界の動きに大きく影響されることは避けようがない。しかし生活をその根底からゆすぶられている現在、私たちは自分達の生活の基盤を一から考え直しても良いのではないだろうか。
 
 現在、殆どあらゆる種類の資源や生産物はグローバルに動いている。環境問題もグローバル化している。それを理解した上で、私たちの生活の基盤、すなわち豊かな生活のために必要な食糧に代表される資源・エネルギーの確保や健康な生活のために必須な環境の維持を、私たちが実際に生活している地域のスケールで考えてみようということである。

 私は現在、長野県信濃町で「地域完結型地燃料システム」の実証試験プロジェクトを行なっている。この研究は、地方、特に農林産地域において、エネルギー利用を含む「地産地消型の地域バイオマス有効利用・リサイクルシステム」の実現性を検証しようとするものである。地域にあるエネルギー資源、有機資源を地域内で如何にうまく生産・変換・利用し、生じた廃棄物をいかに有効に循環・再利用するか、地域の自立、循環型社会システムの構築を目指すプロジェクトである。そして将来はこの構想を近郊の農林産地域を含む地方都市に広げたいとも考えている。

 どうも人間という生物は、その生育環境が悪くなると、都会に集まってくる習性があるようである。わが国においては、都会のみならず地方農林漁業地域においても、完全な自立、完全な循環型社会の構築はとうてい無理であろう。しかし我々の生活の中で、例え不完全でも「地域内において」エネルギーや安全な食品、健康な生活のための環境、さらには現在わが国の最大課題のひとつとなっている雇用を確保しようとする努力は、必要不可欠であると考えている。

 特にわが国は現在、人口の減少という国家存亡の危機を抱えている。より健康で安全、安定かつ安価?な生活(豊かな生活)を地方都市および農林(漁)業地域で実現することにより、地域を活性化し、若い人々を呼び込み、地方人口を増やすことが、わが国全体の活性化、国家の繁栄に必須なプロセスであると信じている。


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