化石資源に頼らず、非可食なセルロース系バイオマス資源から燃料や化学品を生産する動きが世界的に広がっています。これは、低炭素社会を目指し、またエネルギーや化学品の原料の多様化を図り持続可能な社会を実現する上で極めて重要です。確かに日本はバイオマス資源も貧しい国ではありますが、だからこそ技術開発で世界をリードすることが重要と考えます。

 世界的な研究開発競争の激化の中で、産官学連携による研究開発のスピードアップは極めて重要です。クローズドイノベーションとオープンイノベーションを効率的に交えて研究開発を行う必要性が益々強まっています。また、セルロース系バイオマスの利用を実現する革新的な技術開発のためには多様な技術、学問領域を統合していく必要があります。

 このため神戸大学では、工学研究科、農学研究科、理学研究科の研究者が結束して、統合バイオリファイナリーセンターを2007年に日本で始めて設立しました。08年は、まさにこのセンターの本格稼動が始まった年といえます。センターでは、バイオマスからの燃料や化学品生産を実用化すべく、NEDO、環境省、JST等からの大型研究開発プロジェクトを受託して産学官連携で推進しています。

 一方、アメリカ合衆国においては、08年から3つのDOEバイオエネルギーセンター(BioEnergy Science Center&s_comma; Great Lakes Bioenergy Center&s_comma; Joint BioEnergy Institute)が本格稼動し、バイオマスのより効率的な利用を可能とする革新的なバイオプロセスの開発が始まっています。ヨーロッパにおいても大型研究開発プロジェクトが進行しています。民間においても、三井化学、米DuPont社やDSM社をはじめとする日米欧の多くの企業で本格的な研究開発が進むとともに、新たに研究開発に取り組む企業も着実に増えています。

 09年はまさに、こうした世界的な競争が激化する年となると思います。日本はアメリカ合衆国などと比 べると、研究開発投資の総額は少ない状況でありますので、オールジャパン的に連携して研究開発を加速することが重要と考えます。

 神戸大学の統合バイオリファイナリーセンターは日本におけるバイオリファイナリー研究の中核機関の一つとして役割を担いたいと考えています。どの様なことでも結構ですので、是非、お声がけください。


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