第29/30回アグリバイオインフォマティクス・セミナーが下記の要領で開催される。最新情報は「バイオ関係者、皆のホームページ」学会・補助金欄、もしくはHot Newsの上フレームにある分野別Hot Newsセミナー学会を選択してアクセスできる。
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日時:10月23日(木)15:00-16:30(第29回)16:45-18:15(第30回)
場所:東京大学 農学部2号館2階 第1講義室
参加登録:不要
参加費:無料

第29回セミナー
タイトル:「システムバイオロジーの最前線定量生物学から計算生物学まで(1) 定量生物学 ~慨日リズムの光応答性を例に~」
講師:小林徹也 先生(東京大学生産技術研究所)
要旨:近年立ち上がったシステムバイオロジーにおいて、従来の分子生物学的方法論を補完する新しい生命科学の方向性を模索する試みが行われてきた。このような試行錯誤的な試みの結果、システムバイオロジーの最前線において、いくつかの具体的な研究の方向性が明らかになっている。「定量的なデータに基づいた生命科学」はこのような方向性の1つである。本講演では、このような定量的なデータに基づく研究の例として、我々が最近行った慨日リズムのSingularity現象(慨日リズムの停止現象)のメカニズムを細胞レベルで解明した研究を紹介する。この研究では、定量的な測定・摂動実験と画像・データ解析、そして数理モデルとを有機的に結びつけることによって、現象の特性を定量的に明らかにし、分子の同定とは違う形による現象のメカニズムの解明に成功している。そしてこの我々の研究などをたたき台として、定量的な生物学の今後の展開と、必須技術などについて議論したい。

第30回セミナー
タイトル:「システムバイオロジーの最前線定量生物学から計算生物学まで(2) 計算生物学 ~シミュレーション技術と標準化~」
講師:舟橋啓 先生(慶應義塾大学理工学部生命情報学科)
要旨:生命現象を司る動作メカニズムの理解には、対象とする生命現象に関わる分子の特定、及びそのダイナミクスを理解する必要がある。一般的にダイナミクスは遺伝子制御、シグナル伝達、代謝等、分子間反応として表現され、ダイナミクスの特性の記述には反応方程式が用いられる。反応方程式の記述は大別して(1)分子濃度を記述した常微分方程式、(2)分子濃度の空間的分布を記述した偏微分方程式、(3)分子数のゆらぎを考慮した確率モデルに分類され、これら異なる記述方法は適用する生命現象に依存する。生命のシステムレベルでの理解のためには、上記アルゴリズムを用いたモデル化(シミュレーション)の他、理論解析、新たな実験手法の開発などの融合的研究が必須であり、これをサポートする計算機基盤が研究の成功に大きな影響をもたらす。中でもモデル化、シミュレーション、解析を行う一連の過程をサポートするソフトウェア基盤は非常に重要な位置を占める。これらソフトウェア群はきわめて広範な技術を必要とし、かつそれらが連動して利用できる必要がある。この状況を解決するアプローチが、標準化とプラットフォームの提供によるソフトウェア基盤構築である。モデル表現の標準を提供することで、ソフトウェア間でのモデルの共有・蓄積が可能となり、オープンなプラットフォームによって、モデル構築と解析モジュールの協調的な開発、連動を可能にする。本講演では、シミュレーション技術及びソフトウェア間でのモデルの共有を目的とした標準化技術(SBML SBGN)、これら標準化技術を採用したソフトウェアであるCellDesignerについて紹介する。

問い合わせ:東京大学大学院農学生命科学研究科アグリバイオインフォマティクス