ここ2年、12月に科学技術振興機構(JST)が開催した「さきがけライブ」が、今年は実施されないことが明らかになった。

 「さきがけライブ」は、独創的なアイデアを武器に活躍する最前線を、選ばれた若手研究者がブース形式で展示するとともに、そのエッセンスをライブステージ上で1分間、プレゼンするというイベント。

 2005年は12月22日に「さきがけライブ2005」が東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催され、翌06年は12月15-16日と2日間に会期を延長した「さきがけライブ2006」が同じ東京国際フォーラムで開かれた。

 「さきがけライブ2006」では、ライフサイエンス28件、環境・化学6件、情報通信14件、ナノテク・材料22件の計70件が出展、このおよそ6割以上をバイオ関連が占めた。2日間で1000人以上の参加者を集め、「さきがけ研究は宝の山」と来場した神原秀記・日立製作所中央研究所フェローが語るなど、高く評価されているイベントだ(関連記事1)。1分間プレゼンでは、用意された100数十余の座席はまったく足らず、立ち見で賑わった(関連記事2)。

 「さきがけ」は、JSTが実施している戦略的創造研究推進事業の1つ。1991年に発足した個人研究推進事業で、原則として3年で3000万-4000万円程度の研究費が、個人の研究者に支給され、使用用途の制限も比較的少ない。およそ10-30人の研究者を束ねる研究進行領域の研究総括者の下で、合宿を行うなど濃密なやりとりもあり、若手研究者に評判の制度だ。この人気のせいで、競争率が20倍前後にもなる狭き門になっている(関連記事3)。

 「BTJジャーナル」では、「さきがけ2005」および「さきがけ2006」の熱気をリポートするとともに、07年は「さきがけ2006」で特に活躍が目立ったバイオ関連研究者の中から毎月1人ずつ、研究の最前線を連載「さきがけCloseUp」にて紹介した。

 この10回にわたる「さきがけCloseUp」連載と、「さきがけライブ」のリポートを掲載した「BTJジャーナル」の記事を、以下に紹介する。いずれも無料で全部読めるので、ご覧ください。(河田孝雄)

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※「さきがけCloseUp」連載記事(新しい順に)

07年11月号「さきがけCloseUp」第10回
ホタテからエンジン(ゲルマシーン)
アクチンとミオシンがATPで駆動
角五 彰 氏
北海道大学大学院理学研究院 生命理学部門生命融合分野 ソフト&ウェットマター研究室 助教
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0711

07年10月号「さきがけCloseUp」第9回
アスベストを現場で迅速モニター
無機バイオ境界で環境、半導体に展開
黒田 章夫 氏
広島大学大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0710

07年9月号「さきがけCloseUp」第8回
形成装置の結晶構造解きCell論文
ジスルフィド結合形成の仕組み解明
稲葉 謙次 氏
九州大学 生体防御医学研究所 特任准教授 次世代
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0709

07年8月号「さきがけCloseUp」第7回
世界最大のペプチド天然毒を合成
細胞膜にイオン通すチャネル制御へ
井上 将行 氏
東京大学大学院 薬学系研究科 有機反応化学教室 教授
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0708

07年7月号「さきがけCloseUp」第6回
神経系の双方向シミュレータを開発
柏市ほのぼの研究所で認知症予防
大武 美保子 氏
東京大学 人工物工学研究センター サービス工学研究部門 准教授 学術統合化プロジェクト(ヒト) JSTさきがけ研究者 ほのぼの研究所所長
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0707

07年6月号「さきがけCloseUp」第5回
酵母で“プリオン仮説”を最終証明
伝播機構、感染源の本質に迫る
田中 元雅 氏
理化学研究所 脳科学総合研究センター 田中研究ユニット ユニットリーダー JST PRESTO
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0706

07年5月号「さきがけCloseUp」第4回
高含水ゲルで生体物質を集積化
βアミロイド重合体の迅速分析も
加藤 大 氏
東京大学ナノバイオ・インテグレーション研究拠点 大学院工学系研究科応用化学専攻 特任准教授 薬学博士
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0705

07年4月号「さきがけCloseUp」第3回
シマウマや魚の模様パターンは
細胞が作る反応拡散波でできる
近藤 滋 氏
名古屋大学大学院 理学研究科 生命理学専攻 教授
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0704

07年3月号「さきがけCloseUp」第2回
光でDNAの連結・切断を制御
DNAチップのS/N比を100倍に
藤本 健造 氏
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) マテリアルサイエンス研究科 准教授
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0703

07年2月号「さきがけCloseUp」第1回
インスリンの分泌過程を
フェムト秒レーザーで視る
高橋 倫子 氏
東京大学大学院 医学系研究科 疾患生命工学センター 疾患生命科学部門(2) 特任講師
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0702

07年1月号 学会コレクション さきがけライブ2006
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0701

06年2月号 学会ダイレクト 「さきがけライブ」1分間プレゼンが好評
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0602


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