文部科学省研究振興局ライフサイエンス課が、2007年度「統合データベースプロジェクト」補完課題の公募を開始した(詳細は文部科学省ホームページを参照)。このプロジェクトの中核機関として採択された情報・システム研究機構が示す統合化方針に従い、自ら保有するデータ又はデータベース(DB)を、文科省の統合データベースに提供する事業を行う機関を募集中だ。07年度の総額は1.5億円で、提出期限は07年8月30日。1課題当たり年5000万円程度を上限とするA型を1-2課題、同1000万円程度上限のB型を1-10課題程度予定している。

 A型は、複数の分野・生物種の実験データを幅広く収集、保有又は整備、維持管理している機関、B型)特定の分野・生物種の実験データについて網羅的に保有し、維持管理している機関が対象になる。A型、B型共通の要件は次の3つ。1)プロジェクト終了までDB構築のための実質的組織を維持できる見込みを有する、2)産生データに基本的なアノテーションを実施できる体制を形成できる見込みを有する、3)統合化対象データの権利関係が整理済みで公開が可能であること、又は、現時点では統合化対象データの権利関係が未解決であるものの権利関係の整理のための作業を実施することにより、2010年度までに公開可能となる、の3つだ。

 実施事項は、1)中核機関へのデータの提供。中核機関と連携して、データ変換ツールやインターフェース等を作成する、2)産生されたデータに関する基本的なアノテーションを実施する、3)必要な場合は、データの権利関係を整理するための法的、倫理的作業を実施する、の3つ。

 06年度に続き、07年度からも統合DBプロジェクトの中核機関として採択された情報・システム研究機構は07年4月1日、ライフサイエンス統合データベースセンターを設置し、センター長には高木利久・東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻教授が就任した(関連記事)。ライフサイエンス統合DBセンターは、東京大学本郷キャンパス内に設置され、この6月にはホームページを開設した(http://www.dbcls.rois.ac.jp/)。

 統合DBプロジェクトの取り組みは、8月24日夜に公開予定のBTJジャーナル07年8月号にリポート記事を掲載する予定だ。

 統合DBプロジェクトは、文科省が06年度から取り組んでいる「ライフサイエンス分野の統合データベース整備事業」の現在の呼び名。生命情報の統合化DBは、ライフサイエンス研究を支える基盤であり、その整備を進めるために必要な戦略の検討と技術開発を行うために、文科省はこのプロジェクトを開始した。06年3月28日閣議決定の第3期「科学技術基本計画」に基づき、総合科学技術会議が策定したライフサイエンス分野の推進戦略で戦略重点科学技術の一つとして「世界最高水準のライフサイエンス基盤整備」が掲げられたことに対応したものだ。

 統合DBプロジェクトは現在、情報・システム研究機構が中核機関として統合化の中核となり、化合物・医薬品、臨床・疾患等の医療に関わるDBの統合化について、3つの分担機関(東京大学を中心としたグループ、東京医科歯科大学と大阪大学のグループ、京都大学)がそれおぞれ連携して統合化の一翼を担っている。

 しかし06年5月の科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 ゲータベース整備戦略作業部会の報告書「我が国におけるライフサイエンス分野のDB整備戦略のあり方について」によると、国内のライフサイエンス関係のデータベースは優に200件を超えて存在している(公開予定のものも含む)。これらの統合化を一層加速するために、今回、補完課題を公募することにした。(河田孝雄)


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