我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルで発展させるため、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰し、その研究意欲を高め、研究の発展を支援していく必要がある──。日本学術振興会(JSPS)は、第3回(平成18年度)日本学術振興会賞の受賞者25人を決定、2006年12月27日に発表した。

 25人のうち、バイオテクノロジーと関係が深い生物系の受賞者は次の9人(名前のあいうえお順、所属機関・職名は06年12月1日現在、年齢は06年4月1日現在、「」内は授賞の対象となった研究業績)。

1)荒木崇(男、42歳)京都大学大学院生命科学研究科教授「高等植物の花成の制御機構の研究」

2)岩田想(男、42歳)インペリアルカレッジロンドン生命科学科デービットブロウ記念生物物理学教授、構造生物学センターディレクター「膜タンパク質の結晶構造解析」

3)片桐秀樹(男、43歳)東北大学大学院医学系研究科教授「糖・エネルギー代謝調節における臓器間情報ネットワーク機構の発見」

4)澤本和延(男、38歳)慶應義塾大学医学部助教授「神経系の発生・再生過程における細胞の増殖・分化・移動」

5)田中真二(男、42歳)東京医科歯科大学情報医科学センター/肝胆膵外科特任助教授「外科の臨床検体に基づいた消化器癌解析と新しい治療法の開発」

6)古川貴久(男、42歳)大阪バイオサイエンス研究所発生生物学部門研究部長「脊椎動物の網膜発生の分子機構の解析」

7)宮脇敦史(男、44歳)理化学研究所脳科学総合研究センターグループディレクター、チームリーダー「蛍光タンパク質の学際的開発研究」(関連記事1

8)山中伸弥(男、43歳)京都大学再生医科学研究所教授「細胞の核を初期化する遺伝子の解析と多分化能を持つ幹細胞の樹立」(関連記事2

9)吉崎悟朗(男、40歳)東京海洋大学海洋科学部助教授「生殖細胞移植による新たな魚類洋食技法の開発」(関連記事3

 山中教授と吉崎助教授の業績の詳細は、「BTJジャーナル」の記事参照(登場ページは山中教授が06年10月号P.11-13、吉崎助教授が06年2月号P.11-12と06年06年3月号P.18)。BTJジャーナルダウンロードはこちらから

 このほかバイオテクノロジーと関係する授賞としては理工系で、銅谷賢治(男、44歳)沖縄科学技術研究基盤整備機構大学院大学先行研究・神経計算ユニット代表研究者が「脳の回路と分子機構への計算理論的アプローチ」の研究業績で、選ばれた。

 受賞者25人のうち女性は人社系の2人だけだった。

 授賞式は3月2日に日本学士院で行われる予定。受賞者には、賞状、賞牌および副賞として研究奨励金110万円を授与する。(河田孝雄)

※日本学術振興会賞の審査会委員(所属機関、職名は06年4月1日現在。○が委員長)。
石井米雄・人間文化研究機構長
伊東光晴・京都大学名誉教授
○江崎玲於奈・横浜薬科大学長、茨城県科学技術振興財団理事長
金澤一郎・国立精神神経センター総長
郷通子・お茶の水女子大学長
小柴昌俊・東京大学特別栄誉教授、平成基礎科学財団理事長
鈴木昭憲・東京大学名誉教授
外村彰・日立製作所フェロー
中西重忠・大阪バイオサイエンス研究所所長
野依良治・理化学研究所理事長
広中平祐・数理科学振興会理事長
本田和子・お茶の水女子大学名誉教授
増本健・東北大学名誉教授


+機能性食品+医薬品+