受精卵から体細胞や生殖細胞への分化は戻ることのない過程として捉えられてきた。しかし最近、ES細胞と言う多能性の不思議な細胞を媒介にすることで、生殖細胞から体細胞まで大きな可逆サイクルとして描くという夢が実現した。
 先ず、体細胞にとどまらず精子や卵母細胞といった生殖細胞まで、ES細胞から試験管内で誘導可能であることが明らかになった。ここまでに驚きはない。
 しかし、最近になって精原細胞を株化した後、ES様細胞へと分化を誘導できることが報告され、その上なんと、山中らは体細胞からほぼ全能のES様細胞を試験管内で誘導した。
 これにより生殖細胞⇔ES細胞⇔体細胞、それぞれの間に個体を経ない試験管内の可逆サイクルが成立したことになる。これまで考えもしなかったこの輪廻の向こうに、どんな将来が見えるのかは問うまい。
 でも皆さん、玉手箱が今開かれました!


2007年新春展望特集


+細胞工学+オピニオン++++