IPO(新規株式公開)がファーマフーズ1社に終るなど2006年は日本バイオには厳しい1年となった。ただ、05年末に日経BP社に予想を聞かれた際にゼロではないが1~2社程度と予想していた私としては想定内ではあった。今回はキーワードを3つ挙げて、07年の展望をコメントしようと思う。07年に注目すべき3つのキーワードは、「アンジェスMG」「黒川清内閣特別顧問」「安倍内閣」である。

 日本バイオの事業としての注目度は、02年9月に大学発ベンチャー上場第1号となったアンジェスMGによって始まったといえる。一時の熱が冷めて逆にマイナスの色眼鏡で日本バイオが見られている今、創薬ベンチャーの象徴企業でもある同社のHGF遺伝子治療薬の国内フェーズIIIが終了し、申請できるかどうかに再び色眼鏡をはずしてもらえるかどうかがかかっていると考えている。私は、まもなく組み込みを終え、6月頃の申請が可能と予想しているため、これによって再び日本バイオ企業に再評価の光があたり、5月の三角合併解禁の動きと合わせて、再びカネが未公開企業も含めて回り始め、狭められたIPOの窓が少し開くと07年を予想している。

 2つめはキーワードというよりキーマンと考えているのが黒川清内閣特別顧問だ。安倍内閣の重点政策が発足し、新健康フロンティア戦略とイノベーション25の座長に就任した。小泉前首相が経済財政諮問会議を活用し、民間議員の提案をたたき台として変革のスピードを早める戦略をとって以来、有識者としての民間議員の発言力が高まっている。安倍首相が信頼する黒川氏の行動によっては、技術がありながらも前に進まなかった新規健康・医療バイオ分野で一点突破の風穴が開く可能性が高いと予想している。

 3つめは、2つめとリンクしているが安倍内閣の発足だ。安倍首相は著書「美しい国へ」の中で自民党の社会部会長だった当時、健康寿命を伸ばすことにいち早く着目し、政策を発表したと記述しているように健康・医療バイオ業界を理解している人物だ。私は元自民党国会議員の秘書を経験しており、政治にも土地勘はあるつもりだが、今の内閣の大臣、副大臣、党三役は健康・医療バイオ業界には天与の布陣とみている。詳細は省くが、例えば日本の国会議員の中で最もこの分野に理解があるライフサイエンス推進議員連盟の会長である尾身幸次氏が財務長官に就任した。柳澤厚生労働大臣は「安倍首相が所信表明でイノベーションの1丁目1番地に医薬を掲げていただいた。かなり印象深く受け止めており、私の責任においてしっかりやらなければならないと思っている」と決意のコメントをしている。

 総合的に分析すれば、06年の日本バイオはやみの中であったが、07年は前半が夜明け前、後半に陽が見えはじめる年になると予想する。バイオが1丁目1番地の1となるべく、エンジン全開で臨みたいと久しぶりに希望をもった新年を迎えている。


2007年新春展望特集


+ベンチャー+オピニオン++++